JUGEMテーマ:手作り石けん

 

(文責:堀内)

 

 もくせい舎ではコールドプロセス製法のほか、釜炊き法(釜炊きオリーブ石けん)や塩析法(もくせい犀、もくせいX)の石けんも作って販売していますが、こういう様々な技法を駆使できるのですから、当然、粉石けんも作れます。

 

 

 ただ、粉石けんは販売には適しておらず、まず分量がかさばる上に単価も上げられず、依頼されて600円/kgで製作したことはありますが、送料も含めると市販の方がずっと安く、合成洗剤はさらに安いため、ハンドメイドの当舎の商品には適さないということで自家用のみ製作しています。しかし、それでも100%自家製というわけではありません。

 

 

 写真はスーパーの片隅で細々と販売されているウタマロ石けん、廃油を原料とし、脂肪酸ナトリウム98%の製品ですが、廃油や獣脂が原料の石けんは水に溶けにくく、使い勝手もそれほど良くありません。用があるのは石けんではなく含まれている蛍光剤。

 

 自家製の粉石けんを用いる場合、市販の合成洗剤より劣ることとして、洗たくを繰り返すと衣料に使われている蛍光剤が剥離し、その部分が黒ずむことがあります。市販の洗剤は蛍光剤を配合して補充することで黒ずみを目立たなくしていますが、自家製の石けんには入っていないので、使い続けるとシャツなどが黒ずんでしまいます。

 

 蛍光剤は蛍光分子が光(紫外線)を吸収して構造を変えた後(異性体)、元の構造に戻る際に光を放出する現象を利用したものです。ドイツのバイエル社の発明ですが、この化学製品を造り出すことは当舎の仕事ではありません。蛍光剤はそれのみでも入手できますが、あまり費用を掛けたくないので、ここはすでに含まれている市販品を使うことにします。市販のウタマロ石けんを粉砕し3〜5%ほど混ぜて使います。

 

 

 蛍光剤は発がん性が指摘されていますが確定したものではなく、希釈して使うので使用量はごく少なく、少量でも漂白効果があることから、むしろ汚れ落ちが良く環境に優しいという粉石けんのメリットの方が大きいものになります。

 

 案外知られていないこととして、家庭用の廃油などから作る自家用の粉石けんは溶け易さや汚れ落としの能力、水アカの残留などにつき市販のそれより優れています。原料となる油の出所が家庭用は植物性油脂、業者用は獣脂その他と異なるためで、上記のように多少の工夫をすれば、他にもコツがありますが、自家用に粉石けんを作るメリットは十分にあります。

 

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