JUGEMテーマ:手作り石けん

 

(文責:堀内)

 

「何も足さない、何も引かない」

 

ギフトボックス

 

 どこかのウィスキーのコピーみたいですが、贈答用にパッケージングされているもくせい舎の「釜炊きオリーブ石けん」はそういう石けんです。マーケットではコールドプロセスと銘打ちつつ、さまざまな油脂や添加物を用いる石けんが多いのですが、この石けんに使われている油は100%オリーブ油だけです。

 

「材料はオリーブ油とソーダと塩だけ。」

 

 石けんは古典的なマルセイユ石けんの製法に基づき、小釜で練り上げて作ったものですが、製作した品の厚さが3センチを超えてしまったために通販では小売りできず、数も12個しか作れなかったので最初のロットは贈答専用品としました。大きさは4.5センチ四方のキューブで、重さはバラツキがあるものの概ね70gほど。100%オリーブの釜炊き石けんは市販の製品にはありません。

 

 

 アルカリは水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)と炭酸ナトリウム(炭酸ソーダ)を用いますが、実際の製作では炭酸ソーダ(バリラ)の用途が問題のあるところです。普通の石けんの製法では、それが伝統的なマルセイユ石けんであっても、このソーダは必要としません。バリラ灰は本当にオーセンティックなマルセイユ石けんのみの材料です。用いずにプロセスを途中で打ち切り、作りかけの石けん片を油と香料で練り合わせてサボネット(混練石けん)とした方がずっと楽です。フランスでもサボン・ド・マルセイユの大半がサボネットです。サボネットとして「犀(もくせい)」を持つ当舎では、この製品では伝統的プロセスを尊重することとし、ソーダを介した自然の力だけで石けんを固めることにしました。

 

釜炊きオリーブ

 

 実際にはおよそ1年間に及ぶ、ここでは書けない苦労と失敗の数々があったのですが、何日も掛けてけん化し、手間の掛かるプロセスで凝集させた石けんは素直な上がりです。泡立ちは穏やかですが、汚れを良く落とし、純石けんですが潤いさえあり、肌の弱い人でも使えるでしょう。オリーブの絞り滓であるグリニョン(ポマス)を用いる伝統的マルセイユやアレッポの石けんとも違い、焦げた匂いもありません。これらの石けんは非常に優れていますが、食用油が高価だった時代の名残りで、匂いのあるのが玉にキズです。

 

 惜しむらくは最初の製品のため歩留まりが悪く、少数しか作れなかったことですが、クリックポストで配送できる販売用は製法を再検討して再度製作し、近日お目見えできると思います。SAA値は120、製品としてはデクレット・レアルの後継商品になります。

 

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