(文責:河野)

 

 石けんといえば浴用や洗顔用がありますが、ほとんどの女性は浴用の石けんと洗顔用の石けん(洗顔料)を使い分けているでしょう。私も以前はそうでした。洗顔に浴用の牛乳石鹸などを使うと皮膚が突っ張ることはよく知られています。そこから石けんで顔を洗うのは肌に良くない、というイメージが植え付けられ、洗顔には保湿成分が配合されたチューブ入りの洗顔フォームをもっぱら使っていました。そして顔を洗ったら、できるだけ時間をおかずに化粧水をつけてお肌を潤していました。

 

牛乳石鹸と比較

 

 石けんについて知ると、そもそも肌の突っ張りがどこからくるものかが分かってきます。人の肌が弱酸性なのに対して、石けんは弱アルカリ性です。この性質の違いからくる違和感が一つ。そして、石けんによって皮膚の表面(表皮)の古くなった角質がきれいに洗い流されたことによる刺激がもう一つの理由です。

 しかし、これらがすぐ、肌荒れにつながることはありません。実は人の皮膚にはアルカリ中和する働きがあり、石けん程度の弱アルカリ性のものなら、肌に触れても自然に弱酸性に戻るのです。一方、古い角質が洗い流されるとき、石けんによって皮膚を守る皮脂も一緒に取り除かれてしまいます。皮脂は皮膚に溜まりすぎると肌の汚れとなりトラブルを引き起こしますが、取り過ぎてしまうと乾燥肌となり、やはり肌荒れの原因となります。石けんで顔を洗ったあとの突っ張り感が問題になるのは、むしろ、皮脂を取り過ぎてしまうことが理由ではないでしょうか。

 

泡

 

 手作り石けんの魅力は、こうした石けんを使ったからこそ起きる突っ張り感を和らげることにこそあります。

 天然油脂に苛性ソーダを加えると鹸化反応が起こって脂肪酸ナトリウムが生成されます。これが、いわゆる石けんです。そのとき副産物としてできるのがグリセリンです。グリセリンは化粧品などにも配合される保湿成分の一つですが、皮膚の表面から分泌されて肌を守る皮脂も、脂肪酸とグリセリンが結合したもの。つまり、人肌にとても近いものなのです。

 熱を加えず40度以下の低温で作るコールドプロセス製法を用いた手作り石けんには、グリセリンと、鹸化反応のあとに適度に残った油脂が含まれているため、お肌に潤いを与える保湿成分もそのまま封じこめられている、ということになります。洗い終わったあと、しばらくするとお肌がツルツルになり、しっとりとしてくるのは、天然素材をそのまま用いた手作りせっけんならではの特別な働きということができます。

 

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