この所あまり書いてませんが、別に病気とか忙しいわけではありません。ウクライナ戦争による一昨年からの原材料の高騰は困った問題ですが、手作りの素朴な品を提供しているこちらとしては、価格高騰が商品を皆様の手の届かない所に押しやってしまうことがないように気を遣っています。例えば上級品の石けんは価格転嫁しましたが、エントリー品は価格を据え置く。石けんの厚さを1ミリ厚くしてお買い得感を増すと同時に端切れの部分を多くし、塩析石けんの材料を多めに確保するとか。
※ もくせいバードや穣、もくせいパディ、犀シリーズは価格据え置き、その他は値上げの措置を取っています。カスティール石けんのように分量を減らして価格を下げたものもあります。
そもそもの原因、スペインにおけるオリーブの大凶作については、こちらも言いたいことがないわけじゃありません。一昨年からフォローしているこちらとしては、これは明らかに人災だった。ロシアの侵攻で天然ガスの供給が滞り、電気代が急騰したので先ず散水機を止め、次いでロシア・ベラルーシが主産地のカリ硝石が制裁で入手困難になったので肥料を撒くのを止め、加えて地球温暖化、これでは凶作になるに決まっている。スペインのオリーブ油生産は全世界の4割を占め、数ある石けん材料の中でも特に値上がり幅が大きい。
冗談ではない、と、当面終わりそうにない戦争も含めてここ1年ほど、スペイン農家に恨みがましい感情がありましたが、確か彼らの言い分では、電気も肥料も使えなくなった農場のオーナーが天を仰ぎ、
「あとはお天道様に任せる(原文不詳)」
だったと思います。この言葉、ずっと気になっていて、その後当然のように凶作になったので、そういう風情ではなかったトルコ産などがシェアを伸ばしていることを見ても本当に良いのかと思っていたことがあります。
※ トルコはヨーロッパ、地中海沿岸諸国の中では例外的にロシア産肥料の依存度が低い国。いちばん多いのはモロッコ。
が、それから二年近く経って考えてみると、「実はそれで良かった」のではなかったかと思います。油は安くなりませんが、たぶん何を商品価値として考えるかの違いだと思います。
オリーブ油は現在は重しを載せて搾り取る圧搾法ではなく、遠心分離機で搾油する方法が主流ですので、売られているようなエキストラ・バージン油とピュアオイルの区別は実はありません。ですが実はそれでもまだ高いので流通している品の多くは搾り滓から化学的に分離させたポマス油をベースに用い、搾油した油を20〜30%加えて商品に仕立てています。日本は基準が緩いので、それでもバージン油として販売できます。
ただ、これを使う料理人サイドから見ると、バージンオイルとポマス油は明らかに違いますし、IOCやFAOの基準ではトリグリセライドの純度が問題で色や香りなど官能評価はおまけみたいな扱いですが、料理人としては純度でしたらサラダ油が一番ですので、基準から多少外れても強い香りや鮮度などを重視するのではないでしょうか。
家庭菜園などやると感覚的に分かることですが、条件が厳しかったり、肥料が少なかったりした野菜は、枯れてしまっては元も子もありませんが、スーパーの野菜や通俗的な「有機農法」のそれより滋味があり美味しいことがあります。
もしかしたら、栽培を放り出したかのように見えるスペイン農家の対応は、オリーブ自体元々乾燥に強い植物であることから、条件が悪い方が品質自体はむしろ良くなるという判断かもしれません。トルコ産がシェアを伸ばしていますが、元々生産量が多くないので大半がポマス油との混交品で品質としてはイマイチです。そんなものを売るくらいなら稼ぎは半分に減ってもブランディングを維持した方が良い。
それでも、手入れもせず農地を数年間放置しても大丈夫というのは、その土地の地力に対する強い信頼があるのでしょうし、時期が来ればトルコなんかに負けないぞという強い自負の現れでしょう。たぶん肥料や電気というのは、彼らに取っては20世紀に入ってから現れた「おまけ」で、あってもなくても良いものなのでしょう。
石けんの場合はどうかというと、元々石けんはバージン油やピュアオイルを搾油した残り滓から作られるものです。本場ではそうですし、付加価値の高い食用オイルを原材料になんかしません。それにイタリア料理の職人が繊細な感覚を駆使して使うようなオイルを石けん製造に用いるのは過剰品質です。品質の保持やけん化率などに影響しますので違うものが入っていることは困りますが、そこは見分けて使っています。
※ 「釜炊きオリーブ石けん」は当舎独自の製法によるオリーブオイル100%の製品です。
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2024年も年明けからはや1か月がたちました。
物価高騰が続くなか、今年はコンスタントに注文していただける定番商品のさらなる品質向上に努めながら、選ぶ楽しさ、使い分ける楽しさを感じていただける、個性ある石けんづくりを継続していきたいと思っております。
今回は、昨年末から販売を始めた新商品2種をご紹介します。
(1)もくせいパディ
「もくせいパディ」は、米油とココナッツ油、パーム油を用い、コールドプロセス製法で作り上げたマルセイユタイプの石けんです。米油はビタミンEを多く含み、酸化しにくい特長があります。とろけるような、なめらかな肌触りと豊かな泡立ちで、使いやすく仕上がっています。
(2)犀 東風
「犀(もくせい)」は特製の石けん素地を用い、花やハーブの香りをつけた石けんです。冬の新作「東風」は自家製ローズマリーを漬け込んだローズマリー油とエゴマ、カルダモン、陳皮、シナモンを配合し、シナモンリーフ、クローブリーフのアロマオイルで香りをつけました。なつかしいニッキ飴のような爽やかな香りです。
なお、本商品より、旧作同様、手のひらサイズで使いやすい、四角形に形を変更しております。
どちらも、冬の乾燥にやさしく、使いやすい石けんです。
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2023年は大変な年でしたが、オリーブオイルを含む原材料の高騰が続いており、当舎としても石けんの制作はこれまでより考えなければいけなくなっています。オリーブオイルの不作は予測されていたので米油やひまわり油の石けんをリリースして対処しましたが、意外だったのは豚脂、ごま油が値上がりしたことで、これらは国内精製で値上げ幅は大きくないだろうと思っていたのが見事に裏切られた感じです。
ただ、値上げの中には消費者心理を悪用して必要よりかなり高めにしている例もあり、小売店に多いですが、プロ用の商品はさすがに見抜かれるのか値上げ幅は小さいです。例えば牛脂などはほとんど値上がりしていません。それに小売の方でも一部の店舗ではやりすぎを反省している所も出ており、値下げの動きもあるようです。
土中の窒素が生育に影響する野菜、玉ねぎやじゃがいもなどは生育も悪く高止まりしています。窒素肥料の産地はロシア、ベラルーシと全世界的に偏っていることがあり、この傾向は当面続くと思われます。ですがニンジンや白菜などは陽当りが良かったせいか生育も良いようです。
魚については地球温暖化の影響か、アジが巨大化しています。元々放っておけば40センチくらいまで生育する魚のようですが、ブリも各所で捕れるようになっています。反面、サバやイワシの流通は減っており、サンマはすでに高級魚です。
石けんや燻製品の制作については、当舎は必要なものは価格転嫁するという方針ですが、オリーブ油はやはり値上がり幅が3〜5割と大きく、大量購入で価格を下げるなど決め手もありませんので、多用する商品は値上げすることとしています。例えばデクレットは320円から360円に値上げしましたが、これ以上は上げたくないものです。
燻製チーズについてはバリエーションを考えても良いと思いますが、私自身が一口チーズの燻製品に500円も出す気はしません。技術は向上しており、もっと大型の燻製も作れると思いますが、配送が宅配便になってしまいます。色々考えていますが、現在の商品を超える完成度は難しいと思います。
石けんはボトムエンドの商品は値上げしないこととし、概ね250円で統一しています。あと、従来は雑貨石けんの扱いだったカスティール石けんをスタンダードサイズに型を変更して販売しています。この石けんは台所用と銘打って販売していましたが、なぜか東日本で売れ行きが良く、大半が浴用として使われていることによります。価格は250円から230円に値下げし、現在ではこれが当舎でもっとも廉価な石けんになっています。
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秋を一足飛び越して、急に冬がやってきた、という感じの寒さになってきましたね。
この時期、気になることといえば、はやりお肌の乾燥ではないでしょうか。雨が少ないこの秋は、琵琶湖の水位もマイナス60センチを記録し、普段は湖底に沈んでいる明智光秀の城、坂本城の石垣も水面から顔をだしているようです。
そんなときに使いたい、保湿感たっぷりの石けんを、2個セットにしてお届けすることにしました。
もっちりした泡とスパイシーな香りが特徴の、英国王室にゆかりの石けん「ブラウン・ウィンザー」、またはオリーブ油72%という配合をベースにした「マルセイユ石けん」と、花やハーブの名前がついた、グレープシードオイルを用いた豊かな泡立ちの石けんを、2個1セットにしています。6種類の組み合わせをご用意しています。
数量限定となります。
Aセット:ブラウン・ウィンザー/カサブランカ 6セット
Bセット:ブラウン・ウィンザー/レモンピール 7セット
Cセット:マルセイユ石けん /ユーカリ 6セット
Dセット:ブラウン・ウィンザー/ユーカリ 2セット
Eセット:ブラウン・ウィンザー/キンモクセイ 2セット
Fセット:マルセイユ石けん /デンファレ 7セット
気になるセットは、ぜひお早めに!
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(文責:堀内)
秋らしい季節になってきましたが、ブログの更新を見るとなんとまあ、2ヶ月近くも更新していません。
実を言うと今年の暑さは尋常ではなく、私も河野も夏バテでサイト更新の気力さえなかったというのが本当で、石けん作りもしなかったので話題もなかったことがあります。ただ、スモークチーズの注文は例年より多いものでした。普通、夏場には売れない商品なのですが。
今回はそのスモークチーズの作り方を紹介します。「桜のチップで燻したスモークチーズ」は当舎のロングセラー商品で、元々は私が河野の年初パーティー用に作った一品物ですが、その後も引き合いがあったので、作り方を少し変更し、当時と同じ製法で時間を掛けて作る商品です。
チーズは市販されている特定銘柄のプロセスチーズを用います。某有名メーカーの北海道工場で生産されている製品で、中心まで加圧加熱殺菌されており、通年で販売されている商品ですが、そのままですと水分が多すぎてつぶれてしまいます。そこで別途製作した乾燥器を使い、24時間以上掛けて水分を抜きます。一度に多数を作るために必要なノウハウで、燻製釜に付きっきりだった最初のチーズにはなかった工程です。ただ、あまり旨そうな色ではありませんね。
※ 乾燥の写真は取り忘れましたが、時間を置いて2回ほど、殺菌と洗浄のためにブランデーと蒸留酒に生ニンニクを滲出させた液体を塗布します。強いニンニク臭がありますが、燻製で香りはほとんど残らないので分からないと思います。
燻製を始めるとこのように色付いてきます。燻製の方法は温燻で、だいたい40〜60度の範囲で加熱します。燻製器は自作したものですが、最大10個まで作ることができ、それ以上の個数では中身を入れ替えながら燻製します。15〜20分ほどの燻製を途中冷却しながら何回も続けます。
燻煙は温度が低い方が良く付き、また、長時間加熱しているとチーズが変形するために、途中、取り出して放冷します。
下敷きも変更します。水分の多い柔らかい状態では大きめのサイズを用いますが、燻製では煙が回りやすい一回り小さいサイズを用います。ポリプロピレン製で、耐熱温度(110℃)は十分な余裕があります。当初はアルミホイルを用いていました。
さらに燻製を続けます。
そして冷却。写真は撮りませんでしたが、時折裏返して裏面も燻製します。底部の燻製はその他ほど厚くありませんが、それでも表皮ができる3回以上の燻製はしています。これも燻製して他と同じ色、厚さにすることは可能ですが、リクエストでは現在のままで良いことになっています。
実は夜間も燻製しています。その日の燻製の後、乾燥に用いた乾燥器にチップを入れ、冷燻で8時間以上燻製します。それだけ早く作れますし、温燻では滲出しない成分も滲出し、燻製材を効率良く使うこともできます。
翌日も燻製し、良い色合いになったら河野を呼んで確認してもらいます。OKが出たら作業を終了し、チーズが冷えるのを待って真空パックで梱包します。
完成したスモークチーズ。私の作業はここまでで、後は河野に引き渡します。発送までチーズは冷蔵庫で保管されます。
だいたい乾燥(水抜き)に1日、燻製に2日と最短でも3日の日数が必要ですが、日数は材料となるチーズの状態に左右されます。
夏場は搾乳したミルクの水分量が多く、脂肪分が少ないため同じチーズでも水っぽいものになります。気温も高いので乾燥器を使うことはできません(常温でつぶれてしまうため)、乾燥は冷蔵庫で行いますが効率が悪く、時間は倍必要です。燻製も一日では終わらず、概ね2〜3日必要です。
初夏、初秋はキャンプシーズンで、ブロックチーズはベーコンと並ぶキャンプの人気者です。なので増産で水分量が増やされ、その場合は乾燥には時間が掛かります。また、見た目では分からないチーズ自体のムラ(水分、脂肪分の不均衡分布)も多い傾向があります。なので特売日や大量入荷した製品を使う時には最初の工程に注意を払います。
冬はチーズ作りに最適なシーズンで、チーズの質も良く、概ね3日で全工程を完了することができます。
だいたいこんな工程です。通常のチーズやソーセージの燻製時間は約15分ですが、これらの場合はグリセリンを塗布して水分活性を下げ、薫香と保存性を両立しています。当舎のスモークチーズはそれらよりだいぶ効率の悪い製法で、原価率も当舎の商品の中では最も高いものです。商売としてやったなら、たぶん全くペイしないので、イの一番に商品リストから落とされるでしょう。ただ、これは元々商品として作ったものではありませんし、作っている私も他の石けんなどと違い、これを商品とは全く思っていません。
時間を掛けて水分を抜き、良く燻製された商品ですので厚切りはあまり向いていません。コスパも悪いです。長持ちもしますので、食べる際にはプロシュートのように薄切りにするのがオススメです。
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特製の石けん素地を用い、花やハーブの香りをつけた石けん「犀」シリーズに、新作「木漏日(こもれび)が登場しました!
山や高原を歩くと、木々をそよがせる風にのって、樹木の香りが漂ってくるような気がします。そんな、森林浴の気分を味わえるような香りをイメージして作り上げました。
オリーブオイルを主材料にした特製の石けん素地にカカオバター、ホホバオイル、自家製ローズマリーを漬け込んだローズマリー油を配合して作った石けんは、お肌をしっとりと保湿してくれます。檜のような香りの「サイプレス」と「クローブリーフ」のアロマオイルを用いて、森林の中に漂う樹木の香りをつけています。
バスタイムのひととき、香りでリラックスしてみませんか?
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もくせい舎では、主にオリーブオイルを主材料にした石けんを製作していますが、オリーブオイルと同等の性質を持ち、より安定的に使える材料についても検討してきました。というのも、世界情勢や地球温暖化による異常気象などで、石けんの原料となる植物油脂の価格が上昇傾向にあり、オリーブオイルについてもその影響が出ているということがあるからです。
そして、新たなシリーズとして製作・販売を始めたのが「もくせいソレイユ」です。
「もくせいソレイユ」は、ウクライナ産のひまわり油を主材料に、ココナッツ油、パーム油を用いてコールドプロセス製法で作り上げた石けんです。
ひまわり油の石けんは、もくせい舎立ち上げ当初に製作したことがあり、使用感は良かったのですが、ひまわり油自体が酸化しやすく、長期熟成・保管に向かないということがありました。
そこで、酸化しにくく、さらにオリーブオイルと同じオレイン酸を多く含む「ハイオレックひまわり油」を用いる新たなレシピにより、オリーブオイルで作った石けんと同等の肌触り・洗浄力を備えた石けんに仕上げました。
雪のように白く、泡立ちよく使いやすい石けんです。またウクライナ産を選ぶことで、戦時にあるウクライナを応援する意味も込めています。
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8月も半ばを過ぎ、酷暑も和らいできたと思いますが、あまりに暑いので石けん作りはしばらくお休みで現在は在庫品を中心に販売しています。こう暑くては作業するのもしんどいですからね。
お客様から「果汁とかいろいろ入っていない無添加の石けんを10個欲しい」という注文を受けたのですが、無添加といっても定義によりますが当舎の石けんはほとんど無添加です。ですが「犀(もくせい)」など、果皮入りや果汁入りの石けんは対象外ということで在庫からセレクションしてお渡しすることにしました。
マルセイユ石けんは当舎ではあまり売れていませんが、石けんの原点ということで制作した石けんです。1年熟成(350円)と無印(300円)がありますが、1年熟成は売れ残りではなく、最初から1年熟成させるつもりで作った石けんです。ですが現在は無印の方も1年経過してしまい、どちらも良く熟成された石けんです。色が違うのは使用しているオイルの色が違うから。
マルセイユ石けんには塩析タイプ(丸形・300円)もあり、これは無印を材料に塩析して石けん分を凝固させたものです。通常品より水に溶けにくく、塩析の特徴ですが泡立ちも軽やかです。当舎の釜炊きオリーブ石けんよりも使いやすい石けんです。
サンシャインバー(340円)の色は原料の未精製パーム油の色で添加物ではありません。もくせいバード(250円)は最初から無添加前提で作った石けんで、香料もエッセンシャルオイルも入っていません。
「穣(みのる)」とソレイユは前者(250円)は100%米油の石けん、後者(270円)はマルセイユ石けんの配合でオリーブ油をハイオレックひまわり油に置き換えたものです。油の特徴でオレイン酸の含有量はオリーブ油よりも多いです。
注文の合計は3,010円、送料は宅急便コンパクトで550円ほどですから、請求する金額は3,560円になります。こんな暑い中でも定期的に注文があることはとてもありがたいです。
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38℃とか39℃など、どこか他の国ではないかという暑さが続いていますが、ちょっと外に出るだけでも汗でビッショリ濡れてしまうような暑さには上質な石けんが良いものです。当舎の石けんならどれを使っても良いと思いますが、私も自分で洗浄剤を作れる喜びを今年ほど感じたことはありません。
引き合いの多いのはメンソールを配合した石けんですが、当舎には今年から販売しているメンソールバーの後継商品である「犀(もくせい)薄荷」があり、昨年作ったスペシャリティソープ各種類にも量は少ないですが配合されています。
メンソールバー、メンソール・クリア、佐和山も配合していた商品でしたが、全部売り切れてしまい在庫がありません。
メンソールは配合していませんが、石けんの泡が細かく汚れをスッキリと落としてくれる石けんには釜炊きオリーブ石けんを初めとするオリーブオイルの石けんがあります。マルセイユ石けんはコールドプロセスと塩析タイプの双方がありますが、あまり宣伝しなかったので在庫はそれなりにあります。メンソールの効果は一時的なものですが、皮脂を入念に落とした石けんの清涼感は持続します。
他の石けんもブラウン・ウィンザーやサンシャインバーは「濃ゆい」石けんですが市販のものに比べればサッパリとした石けんです。当舎は天然材料以外のものを用いていないので、変な石けんは作りたくても作れないことがあります。
ほか、もくせいバードや米油石けんの「穣(みのる)」、新しく作ったひまわり油のソレイユやカスティール石けんがあります。原材料費も高騰している折、適切な品を適切な価格で提供しているかどうかについては悩ましいものがありますが、当舎は当舎のやり方で、この夏を乗り切っていきたいとおもいます。
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JUGEMテーマ:社会の出来事
(文責:堀内)
3年と少し前に日本を脱出したカルロス・ゴーン氏が久しぶりに外交人特派員協会(FCCJ)で記者会見を開きましたが、この人も金商法違反の罪を最初に認めておれば、執行猶予か今ごろは出所して、ホリエモン同様ゲストとして芸能番組などに出ていたものをと思いますが、地球温暖化のせいか、最近では今まで尊敬されていた人がおかしなことをすることが多いようです。
例えば「日本権力構造の謎(Enigma of the Japanese Power)」はかつての私の愛読書でしたが、著者のウォルフレン氏が陰謀論にハマってしまい、人づてに最近の言動を聞いてもコロナはナノマシンを内蔵したウイルスでCIAの陰謀だとか、大丈夫かこの人という感じになっています。「アカウンタビリティ」という言葉や、日本でFCCJが日本記者クラブより信用があることも会長・副会長をしていたウォルフレンの功績に負うところが大きいのですが。
二人目はノーム・チョムスキー、大学教養でオースティン同様少し噛りましたが、気に入っているのはエッセイの方で、寸鉄人を刺すような鋭い提言は私も頷くことが多いものでした。ですが今ではウクライナ戦争はディープステートの陰謀などと言っている。
三人目はウラジミール・プーチン、犬好きの独裁者で戦争が始まるまでは日本でもファンが多く、マッチョな彼の勇姿を撮影したカレンダーは人気商品でした。講道館で黒帯を献呈されても辞退する慎み深さ、冬期の寒中水泳とか、心身共にそこらの政治家よりずっとマシと思えたのですが、マイダン革命で魔が差したとしか思えない。あれさえなければ今ごろはG8の長老として、G7からも追放されずに尊敬される指導者でいられたと思うのですが。
※ 2014年にロシアが革命で大統領が逃亡して親ロ派が蜂起したウクライナに派兵し、クリミアを併合してドンバスに大軍を駐留させた事件。このことに怒った他の先進国により、以降のロシアは日本以外のG7諸国に爪弾きにされている(>賢島サミット)。
こんな話を河野としたところ、ふと共通する特徴があることに気づきました。年齢についてはチョムスキー94歳からゴーン69歳まで幅がありますが、全員が10〜20年前に妻と死別するか離婚し、数年後に20〜30歳年下の若い妻を娶っていることがあります。
プーチンも糟糠の妻だったリュミドラと別れて30歳年下の体操選手カバエワと付き合い始めてからおかしくなり、ゴーン氏は22歳年下のキャロル・ナハスと、チョムスキーは分かりませんでしたが新妻は明らかに若いです。
※ 前妻との関係はといえば、ゴーン氏の昨日の会見では背後にしっかりと若い頃の自分とリタ(前妻)の写真を飾っていました。プーチン氏は修羅場だったと聞いていますが、夫婦の関係は複雑なようです。
河野は政治家の原口一博氏とギタリストのエリック・クラプトン、参政党の神谷宗幣氏を挙げましたが、最初からおかしい人(神谷)はこのコラムに含まないので除外するとして、調べてみると「ああ、やっぱり」という感じ。
私にはちょっと理解できないのですが、「女房とタンスは若い方が」という諺がありますが、せいぜいが10歳未満くらいで、20年や30年も差があるとそれはもはや別の人類で、理解も及ばないし、一緒に暮らしても疲れるだけだろうと思います。若いツバメを作られ搾り取られるに決まっている。そういえば和歌山にドン・ファンというのがいました。あれは明らかに殺人事件、、
財力に加え、過剰な権力志向や自意識過剰とかで結婚生活が持ってしまうものなのだろうか? しかし、何年経っても年の差は埋まるはずがないし、下手をすれば親よりも年上で映画や音楽の趣味も違う。ちょうど私の年代の人間が軍歌とか浪曲とかを聞くような感覚で、まともにやって行けるのか。
大昔の格言に「飽きないカップルには秘訣がある。互いに自分のことしか喋っていないからだ(ラ・ロシュフコー)」というものがありますが、こういう関係はたぶん、互いに共同生活の面倒な部分は省略するか無視できるような環境があるのかもしれません。365日四六時中おしゃべりだけでは持ちませんから。
各々の関係は多分に私生活の範疇だと思いますが、物騒なのは歪んだ関係が侵略戦争に繋がってしまうことです。プーチン氏についてはロシアにこんなジョークがあります。
ロシアによるクリミア併合後、カバエワが友人にこぼした。
「私は3月8日の国際婦人デーのプレゼントにクレム(クリーム)を頼んだだけなのに、彼はクルィム(クリミア)と勘違いしたようだわ。これではもう、カリャスカ(乳母車)は頼めない」
カリャスカ(коляска)はアラスカ(Аляска)のもじりで、アラスカはロシア領でしたが1867年に当時のアレクサンドル2世がアメリカに売却しています。
河野と会話しつつ、彼女はこれらの例で奇行に結びつく共通する理由があるのかを説明しようとしていましたが、あまり考えない方が良いこともあります。傾向は傾向として理屈の部分は棚上げにして(帰納法)、「そういう危険な傾向がある」とだけ頭に留めておけば、この件はそれで十分と思います。
※ 生理機能の衰えは先ず第一に挙げられるものですが、肉体的に衰えた分、虚勢を張る傾向はあるかもしれない。
ポール・クルーグマンはと思いましたが、直近の言動を見るに彼は大丈夫のようです。数学など理数系の素養をバランス良く持つことが予防に繋がるのかもしれません。そろばんは脳トレでは人気のある道具です。
「尊敬していた人がおかしくなったらショックやで〜」と河野は言っていましたが、上記の人々については私もショックです。できることは、自分がその当事者にならないように注意することくらいでしょうか。
(補記)
これらの傾向は女性にも見られ、NNN「今日の出来事」の櫻井よしこは現役当時は穏やかな喋り方の「みんなのお母さん」的な女性でしたが、今はまあ、、という感じですし、東京都知事の小池百合子も竹村健一のアシスタント時代はあんな魔女じゃありませんでした。ただ、これらの女性については外国留学組でキャリア志向の強い傾向が元々あったということで上述とは原因が違い、豹変は視聴者にはショックでしたが、本人たちにはあまり矛盾がなかったのかもしれません。
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JUGEMテーマ:手作り石けん
(文責:堀内)
もくせい舎では4年前から夏期にメンソール入りの石けん「メンソールバー」を制作して来ましたが、今年からは同じくメンソールを配合した石けんですが当舎の塩析石けん「犀(もくせい)」ベースにリニューアルしました。
「犀(もくせい)」は今春発売した「花筏」以降は製法を変更しており、より持ちが良く使いやすくなっています。イギリスのDr.Harrisの製法を参考にした圧縮成形法を採用しており、この方法により素材に熱を加えることなく強固で崩れにくく、均質な石けんを作ることができるようになっています。
研究自体はブラウン・ウィンザーと同時期に進めていたものの、新しい技法のため、プレス機の選定から型の制作、石けんの組成など課題が多く、最初は従来品に対するチャレンジとして香りが逃げやすかったり、温度で変性しやすいなど、難しい素材を選んで制作してきました。
例えば、「犀(もくせい)」蜜香は8%のハチミツとバターを配合しており、これほどの量だと従来の方法ではメイラード反応で黒く変色しプロポリス臭がするものになりますが、熱を加えない新製法では解決されています。アロマオイルも従来の半分の量で同等以上の香りが出るものになっています。このように製法について一通り課題を解決したことから、新しい製品をということで、今回は従来はコールドプロセス製法で作っていたメンソールバーの後継商品をシリーズに加えることにしました。
新製法ではメンソールが蒸散しにくく、成分の自由度も大きいことから、従来のメンソールバーはグレープシード油を中心にココナッツ油、パーム油を配し、エッセンシャルオイルにアーモンド油を用いたものでしたが、「薄荷」ではしっとり感を増すためにカカオマスを配合しています。この素材も以前のものに比べるとビタミン豊富ですがココア製造の副産物であることから微香のカカオ臭がし、石けん制作では使いにくい素材でした。ほか、ホホバオイルを配合し、メンソール抜きの石けんとしても充実した内容にするよう配慮しています。
なお、メンソールバーは識別用に青色顔料を少量石けんに加えていましたが、この石けんでは廃止しています。自然素材の良さを味わうのが当舎の石けんですし、そのポリシーに顔料はふさわしくないと考えたことがあります。ですが、試作品では顔料入りのものも作っていました。
新しい石けんは使ってみないと意図が成功したかどうか分からないものです。メンソールの配合はメンソールバーよりも多く(1%弱→2%、グレイシャスバーと同等)していますが、使い勝手についてのレポートは下記の河野のレポートを参考にしてください。
犀・薄荷使用感レポート
泡立ちはよく、しっとりとした肌触り。メンソールのすーっとした刺激は、しばらくすると感じられるようになり、湯上がりの汗が引くのも早い気がする。メンソールの涼感のある刺激はあるものの、洗い上がりは保湿感があり適度に潤いさらさらのお肌になる。夏にぴったりの石けんに仕上がっている。
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JUGEMテーマ:国内小旅行
(文責:河野)
大津市にある園城寺に伝わる文書が、ユネスコの「世界の記憶」に登録されることが決まった、という記事を新聞で読み、ちょっと、見に行ってきました。
園城寺は「おんじょうじ」と読みますが、別名「三井寺(みいでら)」として親しまれています。天台寺門宗の総本山です。天台宗の総本山といえば、比叡山延暦寺ですが、こちらは天台宗山門派。長きに渡るライバル関係で、平安時代以降争いが絶えず、それは僧兵による武力行使にまで及んで焼き討ちに遭ったといわれています。
近江八景「三井の晩鐘」で知られる鐘楼の梵鐘は奈良時代の作とされていますが、山門と称される延暦寺との抗争の際、弁慶が奪って比叡山へ持ち去ったものの、撞いてみると「イノー、イノー(関西弁で帰りたい、の意)」と響いたおで起こった弁慶はその鐘を谷へ投げ捨てた、という伝説が残されています。
そんなわけで、三井寺には、その名も「べんべん」という、この弁慶の引き摺り鐘をモチーフにしたゆるキャラがいたりして、なんとなく、歴史上のヒーロー、源義経の郎党として活躍した弁慶のキャラを思いっきり立てているわけですが、よくよく考えてみると、延暦寺の僧兵だった弁慶は、園城寺にとっては「敵キャラ」なわけで、敵をも味方にする?不思議な雰囲気があるのかなあ、などと思ったりします。
参道沿いには、ユネスコ「世界の記録」登録を祝うのぼりが立てられ、祝賀ムードのただよう境内ですが、その「世界の記録」となった問題の文書は、文化財収蔵庫に展示され、見ることができました。
園城寺は、もともと壬申の乱に斃れた大友皇子を慰霊するために建立された寺で、のちに、延暦寺で学び唐へ留学した僧、円珍が帰国後に再興、その後の発展の基礎を築きました。このほど「世界の記録」に登録されたのは、この円珍が唐に留学した犀、唐の役所が発行した「過所」と呼ばれる通行許可証(国宝)など、中国との文化交流の記録を残す文書です。2通残る「過所」は855年に唐の都・長安を訪れた際に発給されたものだそうですが、端正な文字で綴られたその文書は、とても1100年以上前のものとは思えない美しさで、大切に伝えられてきたことが感じられました。
当時、唐へ渡るには、まず京都から九州の太宰府へ行き、そこから五島列島・福江島の三井楽というところへ渡ったのだそうです。五島の三井楽は、遣唐使の船の最終寄港地で、そこから東シナ海を横断して、唐をめざしたのでした。
奇しくも30代前半に友人との中国旅行で長安(現在は西安)を訪れたことがあり、また城めぐりで太宰府、五島の福江島にも行ったことがあったので、それぞれの風景を思い浮かべることができました。1000年前のその旅は、どれほどの苦難がともなっていたことでしょうか。しかしその旅の途上では、多くの人の親切にも出会ったにちがいなく、こうして文化は持ち運ばれてきたのだなあと、感慨を深くしました。
おみやげには、名物の「三井寺辨慶力餅」を三井寺境内の、観音堂への道の途中にあるお店(本家力軒)で購入しました。求肥のお餅に、きな粉と抹茶、和三盆糖をまぜあわせた緑の粉をたっぷりまぶしたもので、ほんのりとした甘さとお茶の苦味が、とてもおいしかったです。日持ちがしないためネット販売などはせず、お店もここだけ、というこだわりぶり。
しかしですね、境内の中にあるので、拝観料を払わないとお店には行けないのだろうか? もう一軒、浜大津に三井寺力餅というお店があり、こちらはお土産物としてパーキングエリアなどでも販売されているようですが、私のみるところ、お味は本家力軒の方がおいしいように思いました。
園城寺(三井寺)境内では、「るろうに剣心」や「武士の献立」などなど、映画、ドラマのロケも行われているようで、ぐるっと境内を一周するだけでも、目に楽しく変化に富んだ伽藍や石垣の風景が楽しめ、お寺参りってエンタメだな、なんて思った次第でした。
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JUGEMテーマ:手作り石けん
(文責:堀内)
もくせい舎ではご注文を受けた際に最初の方には洗顔ネット、他に石けんの切れ端や試作品で適当な大きさのものを「おまけ」として配布していますが、配布用の石けんもなくなってきたので代わりに純米石けん「穣(みのる)」の配布を開始します。
「穣(みのる)」は米ぬかオイル100%の石けんで、元々の油の性質が良いことから泡立ちもよく滑らかで使いやすい石けんです。先行制作版ともくせいバードなどと同じゾルザイフェ処理を施したバージョンがありますが、配布するのは先行制作版の方です。
違いはゾルザイフェ版の方が色が白くより硬いことですが、原材料は同じですので使い勝手に大きな差があるわけではありません。ただ、処理をしていない場合は石けんが溶けやすいことがあり、通常のコールドプロセス石けんと同じ取扱いが必要になります。その他の点では通常品と同じ大きさ、同じ仕様で特に問題になることはありません。
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JUGEMテーマ:生活情報
(文責:堀内)
つい先日、中国人の技能実習生が職場から洗剤をアルミ缶に入れて持ち出して、駅の構内で爆発させて女性が負傷した事件がありました。原因はアルカリ洗剤という報道は最初からありましたが、首を傾げたのは爆発までに時間があったこと。
水酸化ナトリウムは石けん制作の必須アイテムですが、劇毒物でありながら入手は容易で、誰でもハンコ一つと身分証があれば入手できます。清掃用として根強いニーズがあるためで、これを使えばトイレの黄ばみも浴槽の黒ずみもたちどころに落ちますが、危険でもあり、一般ではほとんど使いませんし洗剤も出回ってはいません。ですが、業務用には少量の水酸化ナトリウムを配合した製品があります。
アルミには酸にもアルカリにも溶ける両溶性という性質があり、その際に水素を発生させますので、水酸化ナトリウムが容器のアルミ壁を溶かし、それで発生した水素が徐々に内圧を上昇させ、破裂に至ったものと思われます。破裂まで時間があったところを見ると、配合量はそう多くなかったのでは。発熱反応でもありますので、中国人実習生が携行していた容器は徐々に熱くなっていったはず。
※アルミ缶の厚さは0.1ミリですので、簡単に計算してみるとおおよそ3気圧で破裂するようです。圧力鍋の約2倍ですが、その圧力に達するにも時間が掛かっていますので、普通に取り扱って危険というほどの洗剤ではないようです。
実習生がそれを駅の構内に放り出して逃げるというのは倫理観を疑いたくなる行動ですが、駅員に突き出してもそこで破裂するだけですので、せめてゴミ箱にとは思いましたが、ある程度は仕方なかったかもしれません。
石けんで使うような濃度では反応はもっと激しく、ガスの発生も多いのでとてもアルミ缶なんかに詰められません。皮膚に付着すると炎症を起こすので、滅多に使いませんが私も防護して中和剤(酢酸)を脇に置いて作業しています。
この事件を見て、当舎でもごくたまにですが水酸化ナトリウムを代わりに購入したり、少量を譲ったりしていましたが、今後は止めようと思いました。簡単なレクチャーをしても高校まで化学を学んでいない人の場合は基本的な部分で身に付きませんし、その後の取り扱いでも物騒な例がなかったわけではなかったことがあります。
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(文責:河野)
もくせい舎で手作りしている、最上級のプレミアム石けん「釜炊きオリーブ石けん」が新しくなりました。
新しくなったポイントは・・・
(1)手のひらによくなじむ、丸型石けんになりました
四角い形だった石けんを丸型に。手になじみやすい形と大きさで、より使いやすくなりました。
(2)製法をより進化させ、滑らかできれいな仕上がりになりました
これまれの製法をさらに一歩進化させ、熟成・乾燥工程で出てしまうゆがみや凹みのない、きれいな仕上がりになりました。さらに表面には磨きをかけ、その白さがいっそう際立つ石けんになっています。
(3)泡立ちがよくなりました
オリーブオイルだけで作った石けんは、原材料の性質上、泡が非常にきめ細かくなるために、泡立ちがあまりよくないという印象になりがちです。その点にも改良を加え、細かい泡ながら泡立ちやすく、使いやすさがアップしました。
(4)しっとり感がアップしました
肌に対する刺激が少なく、しかも洗浄力が非常に高いというオリーブオイル由来の石けんの特徴を活かしながら、さらにしっとり感をアップするため、保湿性にすぐれたアルガンオイルとグリセリンを配合。さっぱり・しっとりとした洗い上がりを感じていただけるようになりました。
(5)ほのかなラベンダーの香り
これまで無香でお届けしてきましたが、お使いいただく時間により一層の癒しを感じていただけるよう、ほのかなラベンダーの香りをつけました。泡立てると香るほどの微香で、精油のため後に残りません。
ぜひ、新しくなった「釜炊きオリーブ石けん」をお手元において、オリーブオイル100%の恵みを感じてみてください!
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JUGEMテーマ:国内小旅行
このゴールデンウィーク、福井県若狭町にある年縞博物館に行ってきました。
年縞というのは聞きなれない言葉ですが、湖底に毎年積もった堆積物が縞模様になってできた、泥の地層なんだそうです。プランクトンや鉄分など、季節によって異なる物が堆積することで、白っぽい縞、黒っぽい縞が交互に重なり、まるで樹木の年輪のように、一年ごとの縞模様になっているのです。
福井県にある三方五湖の一つ、水月湖から、世界一の長さ、45メートルの年縞が掘削されました。これをステンドグラスにして展示しているのが、福井県年縞博物館です。45メートル積み重なったその泥の縞模様の一本が、一年をあらわしています。一年分の厚さは、わずか0.7ミリメートル。それが45メートル、なんと7万年分も積み重なっているのです。
この年縞には、水月湖周辺の花粉や、飛来した火山灰、黄砂、地震や洪水の形跡が残されており、過去7万年間に起こった地球環境の変化を克明に記録しています。
それだけでなく、考古学で発掘された遺物の年代を計るための、世界標準の年代の物差しにもなっているんだそうです。それまで、遺物の年代を測定するには放射性炭素年代測定法という方法が採られていました。これは、有機物に含まれる放射性炭素の量を測定し、国際的に使用されている標準物質と比較することで年代を推定するという方法ですが、誤差が大きく、その精度はあまり正確ではないともいわれています。
この測定方法を、より正確にするための物差しとなったのが、水月湖の年縞です。年縞に挟まれている植物の葉の放射性炭素の濃度により、正確な年代を知ることができるようになったそうです。
館内には、掘削された年縞が、現代(2017年)から遡ってゆく形で年表のように展示されています。そして、ところどころに、この年縞が示す大きな環境の変化が、示されています。
たとえば安土桃山時代の1586年に起こった天正地震。近畿、東海、北陸の広い範囲が被災し、一例として当時山内一豊が城主だった近江・長浜城が倒壊するなど、各地で大きな被害が出たといわれています。この地震を示す年縞は、白っぽい幅広の縞で示されています。地震による地滑り?で、湖底に大量の土砂が流れ込んだことを示しているそうです。
およそ7300年前、世界最大規模の噴火を起こした鬼界カルデラ(九州・薩摩半島沖の海底火山)の火山灰、およそ18000万年前、過去7万年の間で最も寒かった氷河期の時代など、そこには、過去の地球が経験してきた環境の変化や地殻変動の影響が、克明に記録されているのです。
地球温暖化が全世界的な課題となっている今、これまで自然に発生してきた環境変化の記録の中に、これから、人為的に発生した環境変化が刻まれていくことになるのでしょうか。過去を知ることによってしか、私たちは未来を予測することはできません。水月湖が刻む地球の年表は、これから、どんな歴史を刻んでいくことになるのでしょうか。
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JUGEMテーマ:社会の出来事
(文責・堀内)
統一地方選が終わりましたが、こういう選挙で有権者は何を見て投票しているのでしょうか? 候補者は面識もない人物で、経歴などは数行の箇条書き、あとはテレビの印象で、与えられている情報があまりにも少ない。
専門に研究している学者の意見もありますが、市町村レベルで個々の会派や議員につき政策研究をしている学者はまずいません。自分で分析するしかないのですが、イメージ中心の判断ですと偏向を免れません。時間も掛けられないので、単純で客観的な方法が良いと思います。そこで、先に大津市議会選につき、河野に相談して方法を考えてみました。
1.選挙公報とマニフェスト
候補が現職の議員の場合は支持者向けの議会報告や議事録が参考になります。著書のある人物はそれも参考になります。ですが、全候補者一律となると、使える資料は選挙公報とHPに掲載されている政策要項(マニフェスト)や意見くらいしかありません。フェアネスの観点から情報源は絞り込む必要があります。
SNSやブログで発信している候補者も少なくありませんが、これらは時系列に応じた追跡が困難です。選挙公報は紙面が限られているため、候補が重要と考える政策が列挙されているはずで、それを補完するものがマニフェストになります。これらを対照することで、個々の政策に対する候補者の熱意と関心を大まかに測ることができます。
2.「政策」の分別
選挙公報に列挙されている項目に限って検討します。公報の紙面では説明まではできないため、マニフェストを対照して理由が説明されているものだけを「政策」とみなすというルールにします。マニフェストのない場合は説明責任を果たしていないということで、政策として評価しません。提示された政策と分析の論理的なつながりが観念できないからです。
「政策」の採点は唯一採点者の主観が現れる場面ですが、私の場合は以下の基準で判断します。後に提示するグラフではプラス評点は赤色、マイナスは緑色で色分けしています。
?理由の説明に説得力があるもの・・・+1点
個人的な賛否は問いません。対象がきちんと分析され、理由の説明も明快であれば政策遂行の意欲あるものと判断します。内容に関わらず基準を満たせば+1点とします。
?説明はされているものの、効果に疑問のあるもの・・・0点
例えば18歳迄医療費無料という政策はそれだけなら+1点ですが、財源が高齢者医療しかないため、若年医療に5億円プラスし、高齢者医療を5億円減らせばプラス・マイナス1点で0点と判断できます。金額も大きくないので、この点でも0点の政策です。若年医療と引き換えに大幅な削減があるならばマイナスになる政策です。
?権限乱用や実現困難など、明らかなマイナスのあるもの・・・−1点
?はいくつかのケース(下記)に分けられます。<教育問題>
教育委員会は首長・議会とは別組織のため、基本的に−1点としますが、以下の例外があります。イ)教育委員会の独立性を強化し、住民参加を促すもの・・・+1点
ロ)委員会への統制を強化するもの・・・−1点教育への政治の干渉は歴史的に見ても弊害の大きいものです。また、現行の委員会制度は米国を手本とした制度から変質し、予算や政策に行政の干渉が過剰で教育委員の意欲が低いことは文科省すら問題として指摘していることです。
<制度論>
改憲や都構想のような制度論の主張は−1点とします。どちらも実現が難しく、さらに政治的紛糾により行政が停滞するからです。<経済政策>
経済法の議論に則って判断します。行政であれ民間であれ、独占や寡占には弊害しかありません。また、健全な市場競争の望めない分野(市場の失敗)には適切なアプローチが必要です。イ)特定の業者による独占・寡占を進めるもの・・・−1点
ロ)多様化を進め、市場競争を促すもの・・・+1点
ハ)「市場の失敗」を補完するもの・・・+1点
3.その他の項目を分別
以下の3項目に分別しますが、全て0点(評価なし)として評価しています。
「ロボ」・・・選挙公報に記載されているが、説明のないもの。
所属党の政策の丸写しやステイクホルダーの要望があります。候補者の主体性が見られないということで「ロボット」政策と判断します。選挙公報の限られた紙面を埋めるには無意味すぎるコンテンツです。グラフでは鉄色。
「ハコ」・・・「政策」「ロボ」に分類できるが、5〜10億円以上の予算を要するもの。
施設の建設や大規模なインフラ整備、再開発などが該ります。税負担のほか、景観が変わるなど市民への影響が大きな政策です。有益なものも少なくありませんが、反対運動があるものもあり、即座に判断のできないものです。グラフは灰色。
「裁」・・・行政自身の裁量でできる内容のもの。
道路へのガードレール設置や鉄道駅バリアフリーなど、行政自身の裁量や私企業の施策で実現できるものです。口利きレベルの話であり、公報に書くまでもないものです。グラフは薄緑色。
4.候補者の分析
2、3で提示した基準に基づき、列挙された政策を分別します。河野に大津市議会選に出馬した候補から10人を選んでもらいました。全員評定しましたが、書き切れないので3人のみ例示します。
H候補(男性・1957年生・当選7期・公明党)
政策(0)、ロボ(11)、ハコ(6)、裁(3)当選7期の古参議員ですが、独自性のなさが目立ちます。惰性で多選を続けていますが、支持団体の強固な組織票があるようです。
M候補(女性・1986年生・新人・維新)
政策(0)、ロボ(4)、ハコ(1)、裁(0)初の維新議員ですが、政治の素人で党の言いなりのようです。
N候補(男性・1966年生・新人・立憲ほか)※落選
政策(8)、ロボ(4)、ハコ(1)、裁(4)落選しましたが、政策識見ともに十分に議員が務まった候補だと思います。元市職員。
5.イメージの検討
ここでは巷に流布されているイメージ、候補者の容姿や学歴、経歴、年齢や世評など一般的な情報を改めて検討します。私の場合は端的な表現として、五七五の川柳を用います。あまり考えず、イメージ先行で頭に浮かんだことを書き留めます。形式にこだわる必要はありません。
<候補者川柳の一例>
石山寺、見た目政治家、東レマン(T1候補)
若き日の、杜夫と呼ばれた、白頭翁(T2候補)
京大の、親の七光、やる気なし(K1候補)
あの党で、辻立ちの日々、加齢臭(K2候補)
ヤバそうな、セルフカットの、サイコパス(F候補)
まとめたら先の分析を突き合わせて対照します。候補者のイメージと政策のギャップに驚くこともあるでしょうし、候補によっては支持を考え直すこともあるでしょう。こういう分析をしておけば、「どの議員も同じ」といった画一的な見方はしなくても済むはずですし、誰かの言いなりということもないでしょう。候補者は大勢いますが、投票できる票は一票だけです。
6.会派ごとの傾向
候補の分析を所属政党ごとに分類すると別のことも分かります。大津市においては与党議員は「ハコ」など大型の政策に傾倒する傾向があり、個々の個性は希薄で、党ごとにまとまって行動する傾向があるようです。
野党は大きな争点では与党との対決を避け、市民受けの良い小さな提案に埋没する傾向があります。党議拘束の強さは与党と同程度ですが、全般として野党議員は政治に労力を投じている割に有権者に認められず、理解されない傾向があるようです。
これを有権者について見ると、与党議員は市民の日常に関心がなく、野党議員は良く気はつくものの、争点になる政策では与党と対決してくれないというフラストレーションの溜まるものになります。民主的に正常な状態ではおそらくないでしょう。分析により政治が病んでいることも知ることができます。
大津には一人しかいませんでしたが、故意に不穏な政策を標榜して有権者を煽ることで当選した新人候補もいました。この傾向は全国にあるものですが、真面目に主張する候補を退けてしまうことから警戒が必要です。
7.まとめ
「候補者の顔写真を見なくて済む方法」として考えましたが、実際の様子は検討というよりむしろ作業です。だいたい一日あれば整理できます。
全般的な傾向として、大津市では与野党とも候補者は域外への関心やアピールが薄い印象がありました。地方自治体はその地域だけで存続できるものではありません。域外に対しては市民生活を担保する経済活動、健康で文化的な生活を営むための交流を盛んにする必要があります。
自治体とその住民が外部に向かって運動することはその地域のポテンシャルを高め、実益もあるものです。他の自治体を介した相互利益の確保、地場産業の売り込みなど自治体を中心とする広域的な枠組みを指針として示すことで、提案はより有益に、説得力のあるものになります。
補記 正当性の判断
分析では「政策」については個々に評定しているので、ここは評者の主観の入る余地がありました。ですが全く無定見に評定していたわけではなく、今回は「(行政の)擬人化」という観念を意識していました。人の健康は身体と精神の双方を充足することで初めて保つことができます。
これを行政に例えれば、身体に相当するものは、
?行政の健全性を保つ施策
諸機関の適切な運営、予算・資源配分の公平、人的資源の十全な活用
になりますし、精神面の健康を図るものとしては、
?地域の発展を促す施策
国、他自治体との円滑な連絡、互恵的関係、経済機会の伸長
といったものになります。
どんなに健康で肉体的に恵まれた人間でも、食物を摂取しなかったり、他人と精神的な交流を行わなければ衰え、やがては死んでしまいます。自治体も同じです。人間も自治体も生存を維持するには内と外を健全に保つ必要があります。その基準に照らして肯定すべきは肯定し、否定すべきは否定する。文章は実際に問題になるイデオロギーや個々の会派の勢力関係といった議論はひとまず措き、議会選を通じた行政全体の健康診断というニュアンスで書かれています。
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今月半ばより販売をスタートした新型「犀」に、新しい石けんが加わりました。「犀 紫苑(しおん)」です。
ラベンダーの花を漬け込んだオイルを配合し、ミルラ(没薬)とクローブリーフ(丁子)のアロマオイルで香りをつけました。
ミルラ(没薬)とは、フランキンセンス(乳香)とともに聖書に登場する香油です。カンラン科の常緑樹からとれる樹脂から抽出され、古くは古代エジプトで、ミイラづくりの際に防腐剤として使われていたといわれています。その精油には、抗菌、抗炎症のほか肺の不調を整えるはたらきがあり、また呼吸を落ち着かせて心を明るくさせる作用が期待できるといわれています。
すーっと入ってくる、心鎮めるようなほのかな香りで、不安定になりがちな春のこの時期に、泡で包まれるひとときが、ちょっとしたリラックスタイムになれば、という思いをこめました。
もくせい舎の手作り石けん。 ホームページからご注文したいときは・・・
?もくせい舎公式LINEにお友達登録
?トーク画面からメッセージでほしい石けん名と個数をメッセージ
?金額と振込先をお知らせ
でお買い求めいただけます。
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現在の自動車やトラックはガソリンや軽油を燃料にしていますが、ディーゼルエンジンには燃料を選ばない特徴があり、廃食油から作ったバイオフューエルはディーゼルの多いヨーロッパではポピュラーな燃料です。その製造プラントが愛荘マーガレットステーションにあると聞き、先日見学に行ってきました。
愛荘町はなたね油の生産が盛んで、その搾油機もありましたが、お目当ては家庭用廃食油を用いた生成プラントです。装置は搾油機の隣りにあり、今も使われているようですが、燃料製造に至った経緯についてはパネルに説明があります。
油脂に強塩基とアルコールを加えると、強塩基が脂肪酸とグリセリンの鎖を切り離し、アルコールと重合してエステル化反応が起こります。バイオ燃料はそれを洗浄脱水して燃料に仕立てたものです。アルコールにメタノールを用いるのはエステルの加水分解を防ぐためと後の工程で燃料と不純物の分離を容易にするためです。液体石けんでは水とエタノールを用います。
反応させた混合液を24時間静置して分離させた後、上澄みのエステルを水洗して洗浄します。沈殿する白濁した液体はいわゆる石けんでこれも洗浄作用があります。さらに洗浄し、遠心分離機で脱水して燃料とします。精製能率は廃食油200リットルで186リットル、93%の能率で、施設ではこの燃料油でバスや農業機械を動かしています。
我が国の輸送機械における燃料油消費量は年間140万トンですが、プラントで用いることのできる食用油の消費は年間100万トンで、その6〜7割を燃料として用いることができれば、現在の燃料事情は大幅な改善を見るはずです。
プラントで用いる家庭用食用油は不飽和脂肪酸の含有率が高く、酸化すると臭いが強いため、いわゆる石けん製造では敬遠されてきたタイプの油です。粉石けんの製造業者はラードやヤシ油など酸化しにくい飽和脂肪酸の油を好む傾向があり、廃油の仕入先もこれらを用いるプロの料理店であったことから、プラントは従来廃棄されてきた家庭用廃食油の再利用として有用です。
事前調査では装置には加圧加熱装置もあるという話でしたが、装置については確認できませんでした。原理自体はメタノールの引火性を除けば家庭のキッチンでも再現できる平易なものです。
施設には廃食油で製造した粉石けんの展示もあり、臭いを嗅いでみたところ、無臭とはいえませんが酸化臭はかなり押さえられています。廃食油の濾過をきちんと行うこと、作った石けんを大きく拡げ、太陽光で紫外線分解をしたことが効果的だったようです。総じてムダなエネルギーを用いず、重力や日光など自然力を上手に用いて燃料や石けんを製造していることには自然と共生する当舎のポリシーに通じるものがあります。
(追記)
廃食油180kgにメタノール30kgを加え、130kgの燃料を得る効率は62%で上記の93%とは異なりますが、これは重量比で、運用上は製造の際に廃棄される80kgの石けん液、60kgのグリセリン液の処理が問題になります。石けん液は生分解するのでそのまま排水できると思いますが、グリセリンはそれ自体有用な資源なので分留工程があればと思いました。取り出せるのはおそらく5kgくらいですが、あえて取り出さず、廃グリセリンを利用したたい肥化技術もあります。
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前々から予告していた新製法の「犀(もくせい)」ですが、最初の二種類の売り出しを始めることにしました。「花筏」は桜の香りを移した石けんで、「蜜香」は滋養のあるバターにウクライナ産の蜂蜜を練り込んだ石けんです。なお、いつものように石けんの調製は私が、調香は河野が行っています。
価格は新型は1個450円と決めていましたが、最初のロットですので以前の「犀(もくせい)」と同じ1個300円にしました。違いを体感してもらいたいことと、初期生産品として細かい点で製造に不慣れな部分があったことによります。
以前の「犀(もくせい)」と同じく、新型も当社オリジナルの石けん素地を使用しています。使うと分かることとして、この石けん素地は単なる石けんの粉ではありません。元になっているのは当舎のコールドプロセス石けんで市販の石けんとはベース部分が全く違います。肌に残らずサッパリとした洗い心地は独特のもので、新型はこの特徴を活かすように調製された石けんです。石けんを固形化し艶を出すロウ分は極小しか含まれておらず、また、その成分もより高級なものを使っています。
手作り石けんを販売しているショップは数多くありますが、多くはけん化法のコールドプロセス石けんで、当舎のように汎用も含む多彩な石けんを販売している例はあまりないと思います。コールドプロセスでも十分個性的な石けんを作れますが、それにとどまらないのが当舎のポリシーです。
<河野より補足>
・香りについて
「花筏」は桜の花びらを漬け込んだオイルを配合、また桜の香りをイメージした香油で着香しています。
「蜜香」はフランキンセンス(乳香)とクローブリーフ(丁子)の精油で着香しています。乳香はムクロジ目カンラン科ボスウェリア属の樹木からとれる樹脂で、古代から香油として用いられてきました。聖書でクリスマスのエピソードに登場する東方の三博士が、イエス誕生のお祝いに持ってきたものの一つとして知られています。
・商品名前の番号について
新型犀より、商品名前にNo.を表示しました。ご注文の際、商品名でなくこの番号をお伝えいただくことで、より手軽で明確に受注ができるようにするためです。ご活用ください。
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JUGEMテーマ:生活情報
(文責:堀内)
今月末はまだ残っている全国旅行支援を使って日光に旅行するつもりでしたが、3月から連絡していた同行者との調整が付かず旅行は中止となったので、余った予算で河野に勧められた「じぶんまくら」の店舗を訪れることにしました。
じぶんまくらは14〜18のポケットから成るオーダーメイドの枕で、各々のポケットにフィリングを詰め、その人の体格に合わせた高さ、硬さにすることで眠り心地を改善するものです。価格は3〜5万円と寝具にしてはかなりの高額ですが、無料のメンテナンスがあり、購入後に追加料金なしでフィリングを詰め直して再調整できることから、寝具は通例数年〜10年以上使うことを考えると価格はメンテナンス料を含んでおりお買い得ともいえます。
私は元々寝付きが悪く、これまでは枕も大きさや硬さの違うものを3つ(高さ調整用、横寝用)用いており、20年ほど前のブラウン管パソコンのやりすぎでストレートネックになったため頸椎を刺激するテニスボールや鉄アレイなど「睡眠補助具」も併用していましたが、このまくらの導入で全て不要になり、オーダーしたまくら一つで快眠できるようになったことは大きなメリットといえます。効果はてきめんで、睡眠までの時間も格段に短くなった。
用い始めて数日ですが、毎朝スッキリと目覚めることができ、頭も冴え、体調も良く、血圧も安定していて体力も以前よりアップした感じです。課題をこなすスピードが速くなり、明らかなメリットを体感できるので、これで3万円はむしろ安いのではと思います。質の良い睡眠を取ることで改善された時間を一日一時間とすれば、これは控え目な数字ですが、10日あれば元が取れます。
睡眠問題は私にとっては10年以上前からの懸案でしたので、電磁治療機の導入や整骨院への通院など多少改善を試みてもうまく行かなかったものが、わずかな投資でこうも簡単に解決して良いものかと思います。
ただ、店舗を見ると販売よりメンテナンス目的の来訪の方が多く、予約制ですがスマホの予約は今月はほとんど埋まっており、これは枕を売れば売るほどメンテ客のメンテで首が廻らなくなるのではとも思います。
メンテは現在は無料ですが、そのうち有償になるかもしれません。メンテには人の手がどうしても必要で、手順に自動化の余地があまりないこともあります。また、会社が解散したり、現在はイオンモールにある店舗が撤退したらどうするかなど。
他にもマットレス、羽毛ふとんなどありましたが、費用対効果はやはり枕が図抜けていると思います。不眠や寝付きの悪さにお悩みの方は、ぜひ一度訪ねてみてはいかがでしょうか。
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以前に予告した新型の「犀(もくせい)」ですが、今月半ば以降には販売を開始できると思います。最初は「桜(花筏)」、「バター蜂蜜(蜜香)」の2種類、今月末に「ラベンダー(紫苑)」と新製した「釜炊きオリーブ石けん」の順になります。試用テストはすでに終わっています。
旧バージョンの時代から、「犀(もくせい)」には調達方法による原料不足の問題がありますが、今回も例外ではなく、用意した材料は必要十分な量しかありません。製造できる種類には限りがあり、また販売に必要な数量もあることから、新型の最初は従来の「犀(もくせい)」やコールドプロセスでは難しかった材料で作ることにしました。
「桜(花筏)」は昨年はコールドプロセスで販売しましたが、この製法は熟成に長時間が必要なことと40℃前後の低温とはいえ、製造過程で発熱することからアロマオイルを加えても香りがあまり残らないことがありました。これは他の石けんも同じで、当舎の石けんは「微香性」だったものが多かったと思います。
新製法はこれとは原理が違っており、わずかな添加でもアロマの香りが残るものになっています。桜の香りは繊細で消えやすく、これが最初の石けんにこの香りを選んだ理由になっています。
「バター蜂蜜(蜜香)」ははちみつを配合した石けんですが、はちみつの石けんにはアルカリ環境下における非酵素反応による褐変という問題があります。従来の製法では避けることができず、特に60℃付近では制御不能になります。褐変するのみならず、匂いも悪いので、新石けんでははちみつを配合しつつもこの反応を抑えることを目標にしました。
新シリーズの最初としてどの石けんも従来にないチャレンジを行っています。新しいもくせい舎の世界をどうぞお楽しみください。
(追記)スモークチーズ値上げ
昨今の原材料高騰のため、価格据え置きで販売してきた「桜のチップで燻したチーズ」の価格を750円から850円に値上げすることにしました。原材料の全てが値上げしており、当舎を取り巻く状況は厳しさを増していますが、時勢に抗するには選ばれる商品として個々の商品の品質を維持、向上させるしかありません。値上げはやむを得ないものとご理解ください。
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お知らせしている通り、「犀」の新シリーズの制作が着々と進んでいます。
これまで「犀」は、特製の石けん素地に旬の香草、菜物、果物やスパイスをそのまま練り込むという製法で作ってきました。石けん素地から手作りしている、もくせい舎ならではの石けんですが、細かく砕いた素材をそのまま練り込む、という方法では、どうしても素材の粒子により石けんが脆くなりがちなことがありました。また、熱を加える製法では香りが飛んでしまうということもありました。
そうした点から製法を見直し、このたび新たに制作したのが、新シリーズの「犀」です。
もう一つ、石けん素地を用いて作っていたシリーズ「犀香」と統合し、ハーブなどの植物エキスを浸出させたオイルを用い、アロマオイル等で香りをつけるという方法をベースに、ひとつ一つ手作りで作り上げています。
現在ご用意しているのは、
(1)桜の花の香りを移したオイルを配合し、さくらをイメージした香りをつけた石けん、
(2)はちみつとバターを配合し、フランキンセンス(乳香)やシナモンの香りをつけた石けん、そして、
(3)ラベンダー浸出オイルを配合し、ミルラ(没薬)とクローブで香りをtけた石けんの3種です。
それぞれに、個性的な泡立ちと香りですが、とくに(2)は傑作の予感! 濃厚な泡立ちに、はちみつを感じさせる甘い香りとスパイシーなアロマの香りがよく調和し、しっとりと肌になじみます。ぜひ、お楽しみに!
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ジモティーとメルカリで河野のクルマを出品していますが、最近はいちいちうるさく、LINEや電話で連絡を取ってはいけないとか、紹介文中に「〜業」と入れたらAIが検索圏外にするとか、フリマサイトはいつからこんなに窮屈になったのでしょうか?
今後も似たようなことはあると思いますが、件のクルマは河野の母親が新古車(走行距離ゼロ、30キロくらいはあったと思う)で購入したもので、購入には私も立ち会いました。なので出所はハッキリしており、クルマ自体も同じ家にあったフィット(3代目前期型)より良かったと思います。ダイハツ車らしく低中速で乗り心地が良く、中も広々としていて装備も良い。値段はフリマの平均からすれば高いですが、総額では店舗で購入するより割安にしました。できれば県内の方が良いですね。車検絡みの部分は大方チェックしたので購入後のトラブルもないと思います。
それはさておき、前回の江戸石鹸ですが4号まで試作してみて、工業的に精製されたアルカリを使うと洗浄力はありますが、手荒れが気になります。江戸時代の人が現代人より手の皮が厚いとは思えませんので、これは強すぎで、必要十分な洗浄力を備えつつ、手肌への攻撃性の緩い素材ということで原典通り灰汁を使ってみることにしました。
JAで園芸用の草木灰を買い、水漬してコーヒーフィルターで濾して上澄みを取り、リトマス試験紙で測定するとPHは11、だいたい石けんより高く、弱塩基では市販最大の炭酸ナトリウムに近い値で、3号、4号に比べると劣りますが洗浄力はあると思います。
1〜4号の経験でアルカリのみの「石鹸」は洗浄力はあるものの、汚れ落ちが分かりにくいということがありましたので、5号では石けんも混ぜることとし、ごく少量で十分ですが、以前作った鯨油石けんの花王ホワイトから取り出した生地があります。洗たく用に取っていたのですが、これを10%ほど加えてみます。この石けんには独特のセタノール臭がありますので、着香は不要です。良く練ってから成形し、風乾して乾燥すれば出来上がり。5月頃までにリリースできればと思います。
もう一つは現在試用中の塩析石けん「犀(もくせい)」と釜炊きオリーブ石けん。従来より強度を上げると同時に、非加熱製法で香りや素材の持ち味を生かすことが改良の目的で、最初は「桜」をリリースしますが、河野のテスト報告は以下。
犀さくら使用感レポート
従来の犀よりも泡立ちが華やかな感じがする。泡持ちもよく、さっぱり、さらさらの洗い上がりで心地よい、香りがしっかりと出ているのと、パプリカの色付けでほんのり桜色っぽくなっているので雰囲気も出ている。
この石けんの特徴は圧縮製法で、市販の石けんのように艶出しのためのステアリン酸やロウ分を配合していないことで、補強や色付けのための酸化チタンも使っていませんから肌に優しく、純粋に石けんとハーブのみの味わいを楽しめる点です。従来の「犀(もくせい)」より格段に品質向上していることは使えば分かると思います。
ただし、お値段の方は上げさせていただきます。原材料となる当舎石けんの切れ端が最近は製造技術の向上で入手しにくくなっていることや、製法自体、従来の「犀(もくせい)」より格段に手間の掛かるものになっていることがあります。
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JUGEMテーマ:手作り石けん
(文責:堀内)
先日河野が調べてきた「江戸時代の石けん」は現在河野の台所で試用テストが続いています。「意外と使える」というのが本当のところで、石けんは小麦粉をベースに言い伝え通り高濃度のアルカリ水(炭酸ナトリウムほか)と石けん水を加えて練り、掌に収まる丸形にまとめたものですが、食器洗いや家屋掃除には十分使えます。さすがに入浴までは考えていません。米ぬかを使ってください。
最初は小麦粉だとアルカリで黄変することから、3号は水分量を抑え、米粉や石粉を使おうかと思いましたが、実際に使う場面ではやっぱりある程度の靭性があった方が良い。小麦粉は水を加えるとグルテンが生成されますから、ゴム状のそれが良い塩梅に緩衝材になっている。アルカリの配合には工夫の余地がありますが、これはこれで詰めればと思いました。
イメージ的には沖縄で見た首里石鹸のような、完全オブジェ用の小型石けんを考えたのですが、もくせい舎の石けんは見栄えより機能です。
2号は石けん分を少し加えたのですが、この「石けん」の場合はなくても良いと思いました。配合した量では界面活性を起こしうるほどの量を配合できなかったためで、それは10%くらい加えれば作用も考えられますが、この程度の作用ではセスキ炭酸ソーダの方が良いでしょう。
気になる手荒れについては、それは長時間使えばあると思いますが、意外なほどに少ないものです。江戸時代の石けんのアルカリ液は炭酸カリウムが主で、おそらく30%くらいのものです。普通に考えたらちょっと手は入れたくない。石けん全体では3%くらいだと思いますが、これは触っても平気です。
しかし、この「石けん」のいちばんの売りは、この仕様ならクリーマでもミンネでもアマゾンでもどこでも問題なく売れることでしょう。だって「石けん」じゃありませんから。
もっとも、作り手としての意識はそうではなく、これはある意味石けんの形をした中華麺ですので、茹でると食べられることが問題です。蒸し焼きしてアルファ化しようかと思いましたが、悪い影響しか考えられないのでやめました。虫が好物の「石けん」なんか売りたくありませんからね。
あまり積極的にPRして来なかったことですが、もくせい舎の石けんはコンセプトとして万能型であることがあります。入浴や洗髪に関心があるのなら、食器洗いや家掃除にも同程度の関心があるということです。低環境侵害の洗浄剤を提供することが重要なコンセプトで、入浴だけとか顔だけといった商品は作っていません。成分も効果と環境適合性を秤に掛けて決めています。その結果として入浴もできれば洗顔にも使え、衣類のシミ落としにも使えるものになっています。
これまでの石けんとは全く違う「石けん」を作ることには乗り気ではなかったのですが、実際の減り具合を見るとこれも環境適合型の洗浄剤で、有毒成分を含まず、案外持ち良く使えます。考えてみれば二条城も東照宮も幕末まではこれで洗浄されていたわけで、これは当舎の商品としてあって良いものと思います。
なお、本来のもくせい舎の商品、販売を終了した釜炊きオリーブ石鹸と「犀(もくせい)」の後継商品については現在試作とテストが進められています。かなり手間の掛かる製法になりましたが、これらはそのうちリリースしようと思います。
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JUGEMテーマ:社会の出来事
(文責:河野)
「小さなお葬式〜」のテレビCMで一気に広まった感のある家族葬。コロナ禍で人が集まる場を避ける、ということもあり、近親者のみで行うお葬式も一般的になってきた。
私も今年一月末に父を亡くし、教会で家族葬による葬儀を営んだ。家族のほかに、親しくしていただいた父の友人数名に来ていただいた、小さな心温まるお葬式だった。
さて、問題はそのあとである。お葬式は小さくとも、父が亡くなったことは、父や母と付き合いのあった人たちにお知らせしなければならない。父は民生委員を長く務めたこともあり、男声合唱団にも所属し、また元気なときは母とともにゴルフやテニスを楽しんでいたりして、付き合いが多かった。
そうすると、みなさん心温かい方々で、独り身になった母を慰めようと、弔問に来てくださる。お葬式では、お花料(お香典)は辞退させていただくとお伝えし、来ていただいた方にお礼の品をお渡しすればすむのだけれど、弔問に来てくださる方は、なにがしかお供え物やお香典を持ってきてくださり、返礼品の準備もないので、あとでお返しを郵送するなども必要になる。
弔問に来てくださったお友達との語らいで、母はずいぶん心慰められた様子で、それもよかったとは思うが、お茶やお菓子の用意をし、やはり親しい方なので長い時間話し込むことにもなり、「お葬式終わったあとが結構大変だね」と苦笑いしていた。もう齢八十を過ぎ、時間に余裕のある世代ならいいけれど、仕事などで忙しい人だと、個別対応は大変だろう。
逆に考えると、そうした弔問の個別対応を避けて一度に済ますためとして、小さなお葬式とは反対の、大きなお葬式?がこれまで主流だったとすれば、ある意味それも合理的な方法として「アリ」なんだなと思った。
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先日の河野の記事を基に江戸時代の石けんを作ってみました。
小麦粉、かんすい、油を混ぜて良く練ります。かんすい濃度は10%程度。
できあがった「石鹸」です。1号(茶色)はオーブンで急いで仕上げたため茶色くなってます。2号は1号を参考にかんすいの配合を変え、オリーブ油で練り、アロマオイルを添加しています。数日天日干しして出来上がり。
コメント
茶色1号の方は風呂の掃除に使いましたが割れてしまいそのまま廃棄しています。泡立ちはしませんでしたが汚れは落ちます。浴槽に直接こすりつけるよりもスポンジで擦った方が良いようです。
2号は1号よりは色も良く、色や混ぜものなど色々工夫もできそうです。アルカリは強いはずですが、小麦粉で緩衝しているせいか刺激はなく、手荒れなどもありませんでした。河野の指図だと基材は小麦粉で、これは多孔質で優れた吸着力がありますが、アルカリの作用によるフラボノイド反応で薄黄色になりますので、美観を考える場合は別の材料も検討した方が良さそうです。
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私たちは、「石鹸」といえば四角や丸い形をしていて、水に濡らしてこすると泡立ち、汚れを落とすものとして認識していますよね。
ところが、江戸時代の暮らしについて記した書物などを読むと、ときおり「石鹸」という言葉が出てきます。私たちが今「石鹸」と呼んでいるものは、幕末に海外からもたらされ、明治時代に国産化が始まったもの。だから江戸時代にはなかったはずでした。
では、江戸時代に「石鹸」と呼ばれていたものは、どんなものだったのか・・・そんな小さな疑問が心の中にずっとあったのですが、このほど手にした「洗う風俗史(落合茂著)」という本の中に、その答えを見つけました。
それによると、石鹸とは慶長年間(安土桃山〜江戸時代初期)に中国から伝わった言葉で、「山東に産する草を焼き、その灰を浸出した水でうどん粉をこね、石のごとく固めたもの」だったというのです。これを、洗濯に用いたそうです。
つまり、今私たちが「石鹸」と思っているものとは、まったく違ったものだったわけです。
しかし、江戸時代の鎖国体制の中で、唯一ヨーロッパの国で交易をゆるされていたオランダから輸入されていた「シャボン(オランダ語ではZeep)」、いわゆる私たちが思うところの石鹸と混同されるようになり、シャボン=石鹸、という認識が出来上がっていった、ということでした。
また、逆に安土桃山から江戸時代初期、いわゆる南蛮貿易によって最初に日本に石鹸がもたらされた当時は、私たちがいうところの「石鹸」は「シャボン」と呼ばれており、もともとは別のものと認識されていた、ということがわかりました。
ちなみに、江戸時代にも輸入されていたカスティーリャ石鹸やマルセイユ石鹸などは、大変な高級品で、医療用洗浄剤として用いられていたようです。洗顔や入浴には、袋に入れた米ぬかが使われており、「シャボン=石鹸」が広く洗顔や入浴も用いられるようになったのは、明治時代になってからで、石鹸とシャボンとが同意になったのは、明治14年ごろだということでした。
ではもともとの「石鹸」ってどんなものだったのか、という興味が湧いてきました。近々、もくせい舎で、そんな原点の石鹸づくりにチャレンジしてみる予定です。
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テレビで副業がブームですが、もくせい舎にも副業はあります。前から河野に相談していたのですが、今年から行政書士の資格を持っている私の伝票ももくせい舎で作ってもらっています。
理由は色々ありますが、ディーラーとか元公務員とか企業とかの伝手のない士業の場合、扱うケースは各々個性的で、しかもいくつかの申請や書類が同時進行することがあります。
一つ一つならおよその相場で答えられるのですが、重なるとついどんぶり勘定や必要以上に手加減してしまうケースがあります。私の場合は前者はあまりなく、むしろ後者が問題です。軽自動車の名義書換1件3千円なんてのもあった。守山の陸運局までは40キロもあり、それじゃ経費も出ません。確か5台まとめてでしたが、それにしても安すぎます。
他にもありますが、そこで一計を案じたのは私の苦手な事務を河野にやってもらうこと。請求書を切る時期になったら引き受けた分だけ私が妥当な経費と報酬の一覧表を作り(もちろん手加減なんかしない)、伝票の作成はもくせい舎に依頼して、実際の顧客との折衝は私が代理権を与えて河野にやってもらう。
写真の請求は83,441円ですが、端数の441円くらい負けたところで別に困りません。報酬交渉の「代理権」を与えているのですから、3千円削るくらい(足すは普通ない)彼女にやらせて全然問題ない。それに法学部出身の私は代理の意味くらいちゃんと分かっています。口出しせず、彼女の決めた金額に従う。それがこの契約です。
画像の事案は相続で、分割協議から自動車や銀行、相続登記や相続税まで含めた金額です。領収した金額はいったんもくせい舎の口座に入れ、河野に手数料を渡して回収しますが、変なディスカウントをしていないので、手数料を渡しても損はなく、計画は大成功といえます。金額も妥当と思いますが、たぶん我が国の家庭の8割はこのくらいで片付くと思います。
士業の報酬※は自由報酬制ですが、普通は相続財産の総額で決まっているようです。相続3千万なら1〜2%で30〜50万くらいが相場でしょうか。1億以上だと0.5%くらいでしょうが、、興味ないです。
※HPで見たある税理士事務所の料金表だと、相続財産3千万のケースで、基本料金15万円、土地家屋の評価が2件10万円、相続人1人(2人以上)につき5万円(2人10万円)で資料収集代行(戸籍ほか)が15万円、これだけで50万円ですが、さらに消費税が10%掛かりますので支払う金額は55万円になります。
相続については、被相続人が亡くなる前に遺言書を書いておいてくれるとありがたいと思うことがあります。全部自筆で書けるのは頭がしっかりしているうちだけですし、法務局の保管制度もあります。相続は普段は穏健な家族でも剣呑になることがあります。亡くなることにより争いの気配が想定できる場合は、書いておくに若くはないでしょう。
(トピック)遺言と遺書
?〜市○番地の居宅を相続人〇〇に相続させる(遺言)。
?兄弟仲良くし、日本アムネスティへの募金はやめてもよい(遺書)。
?〇〇銀行の預金3分の2を〇〇が相続する(遺言)。
?相続人××は酒とタバコをやめること(遺書)。
被相続人が遺した死後の処置についての文書につき、法的拘束力のあるものを遺言、それ以外を遺書といいます。
追記
初仕事が首尾よく進められましたので、お引き受けできる具体的な項目について、改めてご紹介しようと思っています。また、アドバイスを受けつつ、ご相談をLINEでも受けられるようにしていきたいと考えています。(河野)
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当舎を訪問した人に必ず見せるビデオとして、いわゆる工業生産の石けんの作り方のビデオがあります。
<ザ・メイキング「石けんのできるまで」>
映っている工場は今はなきサボンドールを製造していた資生堂の工場で、こういう作り方を中和法といいます。ただ、この工場はこれだけオートメ化していても採算が合わなかったので廃止され、今は海外に製造拠点を移しています。サボンドールは一昔前のホテルの定番石けんでしたが、どうもボディシャンプーに市場を譲ったようです。
<牛乳石鹸>
こちらは牛乳石鹸の工場、けん化法と呼ばれる方法ですが、中和法より時間が掛かる代わりに肌合いが良いと言われています。このビデオはかなり端折られているので同じ方法のビデオを2つ挙げておきます。
<シャボン玉せっけん>
<ディスカバリーチャンネル>
どれもほぼ同じ内容です。ディスカバリーチャンネルが詳しいですが、マルセイユ石けんについてはこれが唯一の製法というわけでもありません(この製法で作られたマルセイユはワイヤーカッターでは切れません)。
ほか、珍しい枠練り法の石けんはこちら。
<豆腐の盛田屋>
完全オートメーションから半手作業まで様々な工場がありますが、一連の映像から共通する部分と異なる部分を見つけ出すことが大切です。ほか、必要な作業とそうでない作業、固体や液体は圧縮しても体積は変わりませんから、成形した石けんを何回もプレスする作業に意味があるのか、あるとすればどのような理由か、石けん生地の状態を想像しながら考えを進めます。
<成分原材料・盛田屋>※クリックすると拡大
製法はビデオで見れますが、中身はラベルを見る必要があります。いわゆるプレミアム石けんは石けんのほかにも色々入っていることが多いです。エタノールと糖類(スクロース、ソルビトール)、グリセリンの含有量が多いことはこの石けんの製法がいわゆる透明石けんのそれをベースにしていることがあるでしょう。ですが実物はあまり透明ではなく、グリセリンが多いので肌には優しいと思いますが副産物にすぎません。
<成分原材料・牛乳石鹸>
<成分原材料・植物物語>※クリックすると拡大
けん化法(上)と中和法(下)の石けんはラベルでは見分けが付きません。ステアリン酸はロウソクの原料で硬く艶を出すため、酸化チタンは絵具の材料で石けんを白く見せるために入れられます。不けん化物として石けんの固化を助けたり、製品に重量感を与える増量剤としての役割もあるようです。これらより古い石けん、P&Gのアイボリーは酸化チタン(比重4.23)が入っていないので水に浮きます。
<成分原材料・マルセイユ石鹸>
成分表示では石けん素地と書かれることが多い石けん分ですが、原材料にオリーブ油などプレミアム性のある油脂が使われている場合、それを書かないことはまずありません。書かれていない場合は割と平凡な油脂(ヤシ油やパーム油など)が材料と見てほぼ間違いないです。
当舎の石けん作りは上記の石けんと似た所もありますが、かなり違っている部分もあります。長くなりましたので、それについては別の機会にしましょう。
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「皮膚科専門医が見た!ざんねんなスキンケア47』という本を読んでいたら、興味深いデータを発見しました。体の部位によって、薬などの成分の吸収率が違う、ということを、図解でわかりやすく表現していました。
それによると、角質の厚い部分は薬などの成分の吸収率が低く、薄い部分や高くなります。それを、腕を1.0として数値化した図がありました。それによると、手のひらは0.83、頭皮は3.5、おでこは6.0、下あごは13.0となっていました。手のひらは吸収率が低い、というのは、実感としてよくわかりますね。吸収率が高いほど、皮膚バリアが弱い、ということなので、乾燥しやすく荒れやすくなります。顔ではおでこと下あご、これもよくわかる気がします。
では、体の部位で一番、薬の吸収率が高い、つまり皮膚バリアが弱く刺激を受けやすい場所はどこだと思いますか?
それは、いわゆるデリケートゾーン。その数値は、腕が1.0なのに対して、なんと42.0となっていました。
もくせい舎の石けんを愛用してくださっている方で、使ってよかった理由として、他のものを使うと、どうしてもデリケートゾーンがかぶれる、でも、もくせい舎の石けんはかぶれなかった、安心して使える、という感想をいただいたことがありました。
ご紹介した数値は、この方の感じたことを裏付けるものだな、と思い、うれしい気持ちになりました。かゆみやかぶれが気になる方は、一度、スキンケアを見直してみることをおすすめします!
(追記・堀内)
もくせい舎の石けんはコールドプロセス製法です。コールドプロセスの石けんは工業的な中和法(数分)より時間を掛けて(約1ヶ月)けん化するのでアルカリは程よく中和されマイルドです。工業的な釜炊き製法は中和法より時間が掛かりますが(約1週間)、水分を多く含むニートソープを乾燥機で強引に乾燥させるので中和法同様のリスクがあります。もくせい舎の石けんは乾燥機も混練機も用いず、人の手を介しつつ時間を掛け、ゆっくりと作られます。
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JUGEMテーマ:手作り石けん
(文責・堀内)
もくせい舎の石けん「犀(もくせい)」はコールドプロセスで製作した当舎の石けんを精製して石けん分を取り出し、乾燥させた石けん粉を成形して作った石けんです。2019年4月の最初の石けん以来、野菜やハーブを練り込んだ様々な石けんを制作して販売してきましたが、この都度リニューアルがあり、製法を改めての登場です。
乾燥させた石けん粉、「犀(もくせい)」の原料は当舎のコールドプロセス石けんです。整形の際の切り屑や端切れ、経過が思わしくなく廃棄した石けんなどが原料です。石けんの由来が各々異なるので、石けん粉の色が微妙に違います。粉砕化の過程で浄水で何度も洗浄されているのでPHテストは不要です。
今回は試作品ですので、以前オーダーで制作した「はちみつの石けん」をモチーフとした制作です。試作には製造した生地の品質を確認する目的もあります。はちみつは手元にあったシェルドルボンの雫、業務スーパーのインド産のはちみつです。
はちみつ分5%とグリセリン、精製水を調合し、石けん粉40gと良く混ぜます。
<成形中>
成形方法は企業秘密です。リニューアル最大の変更点です。素材の風味を殺さず、短時間で成形します。
完成品、試用品ですので通常の半分の大きさです。3日ほど乾燥させますが、今回はオーブンで乾燥させました。はちみつ分がメイラード反応を起こしてお焼きみたいになっています。もう少し乾燥させたいですが、硬さは十分なので河野に渡します。以下は当日の彼女のレポート。
【はちみつ石けん使用感レポート(河野)】
やや大ぶりの泡だが、泡立ちよく使いやすく仕上がっている。はちみつ感についてはあまり実感がないが、肌に何かが残る感じはなく、さっぱりとした洗い上がりで、甘い香りをつければ、より華やかになると思う。顔に使った感じでは、やや刺激があり、それがツッパリ感につながっている。もう少し熟成させた方がよいと思う。
1.コメント
私も使ってみましたが、石けん粉にはちみつ(インド産)を混ぜただけなので、特有のはちみつの匂いがします。昔父親が使っていたプロポリスにそっくりです。河野が指摘した刺激については、この石けんで遊離アルカリはありえないので、遊離ラウリン酸やその他の刺激物と思いましたが、どうもどれでもなく、はちみつ由来の花粉だと思います。もう少し良いはちみつを使えば違うでしょう。
2.改良点
新しい生地ができたので、とりあえずはちみつを混ぜてみただけという石けんですが、改良点を挙げるとすれば、泡立ちをよりクリーミーにするためミルクなど乳脂肪分を加える。はちみつ香(プロポリス臭)は好みが分かれると思うのでラベンダーやフランキンセンス(乳香)で着香する。保湿性は十分ですが、必要ならホホバオイルを加えるなどがあると思います。なお、ホホバオイルは「犀(もくせい)」成形の際に型入れオイルとして少量使っていました。ほか、もう少し良いはちみつを使うとか。
(その他)
あと、こちらもストレスが溜まったBASE騒動ですが、私の見解を取りまとめておきました(長文)。「手作り石けんと薬機法」というタイトルですが、いろいろ疑問がおありの方も多いと思いますので、そういうものから逃げない当舎はこういった文章を書いて貼っておく必要があるでしょう。あと、何かご質問がおありでしたら、いつでも問い合わせていただいて結構です。市販の石けんより高い価格には、そういうアフターサービスも入っています。当たり前じゃないですか。
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先の記事で私自身が試しにギフトカードで注文してみましたが、クレジットカードが使えるメリットがあるとはいえ、価格は正価よりも高く、注文方法もLINE注文と同じであることから、いったいどこが得なんだと思われるかもしれませんが、商品価格1,500円以下の注文でしたらギフトカードの方がお得です。
試しにこんな感じの注文をしますと。
(注文A)
・デクレット 1個・・・・320円
・もくせいバード 1個・・・250円
・もくせい犀(蜜柑) 1個・・・300円
・液体石けん 1個・・・250円
合計は1,120円で、今までの銀行振込ですと、これに配送料250円(箱代65円+クリックポスト185円)が加わり、合計1,370円を振り込みますが、銀行により手数料165〜220円が掛かります。なので1,535円〜1,590円が実際の支払額です。
ギフトカード注文ですと換算レートを適用するのは商品代金のみですので1,120÷0.9(90%)で換算額は1,244円、これに送料を足した金額は1,494円になり、請求もこの金額なので、わずかな金額ですがギフトカードの方がお得です。
(注文B)
・デクレット 1個・・・・320円
・もくせいバード 1個・・・250円
少額になるとさらに差が大きくなり、例えば注文Bですと商品代金は570円ですが、ギフトカード883円に対し、銀行振込は985円〜1,040円と100円以上の差が付きます。注文Aの41円と比べても倍以上違う。ですから、レート換算方式のギフトカードは適切な場面で使用を検討するのが良いでしょう。
送料250円(箱代65円+クリックポスト185円)についてはどうしようもありません。現在でも考えられる最も廉価な方法を採用しており、切り詰めようがないのが現実です。これは商品を直に顧客に渡せる直販チャネルを整備する以外に解決しようがないでしょう。送料に換算レートを適用しないことについてはCreema、minne、BASEの運用経験から学びました。
商品代金に送料も加えて手数料を上乗せする彼らの方式は、背後にある金融機関には一定の合理性がありますが、送料が明示されている場合には買い主が、それを含めて価格設定している売り主には拭い難い不当さ※を感じさせるものです。これはネットショップが売れない原因の一つになっていると思います。そこで総額の計算は煩瑣になりますが、当舎では送料については換算レートを適用しないこととしました。
※送料は売り主が実額で支払っているので、決済時にクレジット手数料3%を上乗せされるのは仕方ないとしても、さらに7.56%(minne)、3.3%(BASE)を上乗せするやり方は明らかに不当。
BASE店については、交渉で薬機法の規制対象外である石けん(いわゆる雑貨石けん)の存在と販売を認めさせたことで一区切りとし、その後、販売方法に不当な干渉※が数多くあったことから、閉店して現在の販売も終了することにしました。BASEの規定でサイトが消えるまでしばらく間がありますが、すでにリンクも削除しており、購入されたお客様には個々におわびのメールを送ることでおしまいとしたいと思います。
※用語では優越的地位の濫用と言います。
(追記)
LINE注文については運用は河野に一任していましたが、使ってみて改良の余地があると思いました。例えばどの商品も最初に作られた番号があることから、デクレットは101番、もくせいバードは244番、犀(蜜柑)は317番と番号で読み替えることも考えられます。なお、現在の最新番号は526番です。石けんの番号制は河野は難色を示していますが、SMSの特性を考えると、誤解の少ないより少ない文字数で注文できる方法は考えても良いと思います。
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ちょうど石けんが足りなくなっていたので、まずは「隗より始めよ」ということでギフトカードで注文してみることにした。
友だち設定しているもくせい舎のLINEに注文する。初めての場合は返信で送り先を聞かれることもある。LINE注文は私も初めてだ。
しばらく後に返信、自動返信ではないのでいつ届くか分からない。やや見にくいが銀行振込なら380円、ギフトカードは422円(プラス42円)と分かる。メモを取らねば。物騒な世の中なので個人情報は黒塗りにした。
「お支払い先情報」に銀行振込(ゆうちょ、ペイペイ)のほか、ギフトカードの項目もある。mail@mokusei-sya.comをコピペしてアマゾンに移動する。
Amazonギフトカード(eメールタイプ)で金額(ギフトカード価格422円)を入力し、受取人欄にmail@mokusei-sya.comをコピペする。現金でないので換算レートがある。現在は実価格の90%(380÷0.9≒422)としている。もらった側もAmazonでしか使えないのが難点だ。
右上の購入ボタンで「今すぐ購入」をクリックする。なお、送付日の指定もできる。
いつものアマゾンの画面、「注文を確定」をクリック。
注文確定のメッセージ。5分以内に届くらしい。
しばらく待つ。
その後、河野から連絡があり、ギフトカードを422円で受け取ったとのこと。もくせい舎ではラベルを貼った商品は我々でも正価で購入するルールになっている。品物は明日届けるらしい。居宅も見知っているので直渡しだが、普通は送料もかかる。直渡しはもくせい舎では案外多い。少なくともBASEよりはずっと多い。
<感想>
自分で提案しておきながらLINE注文自体初めてで、使ってみると思ったよりややこしい。以前のYahoo!オークション時代みたいだと思ったが、現にこれで直販、通販問わずたくさん注文が来ているので、慣れればどうということはないのだろう。しかしながら、のどかな銀行振込と異なり、当舎が悪いのだが、即払いのギフトカードの特徴を生かしているとはお世辞にも言えないだろう。
この方式なら例はAmazonだが、他社や紙のカードも使えることになる。もくせい舎はアナログでAIでも自動返信でもないので、そちらの方が都合が良いという方は聞いてみると良いと思う。換算率や受取可能かなど、こちらも調べて返事を返すと思う。
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もくせい舎では、これまで決済方法を銀行振込に限っていましたが、クレジットカードでの決済をしていただけるよう、ギフトカード(Eメールタイプ)での決済を選択肢に加えることにしました。
ギフトカード(Eメールタイプ)とは、Amazonなどのネットショッピングに使えるギフトカードのうち、Eメールで届けるペーパーレスタイプのものです。贈る金額を1円単位で設定し、受取人のメールアドレスを入力するだけで、ご自身のアカウントで設定したクレジットカードでの支払いにより、指定した金額分のギフトカードを送ることができる、というものです。
もくせい舎で、LINEまたはメールで商品を注文すると、当方が商品代金と送料をあわせた金額、振込先を返信することで売買が成立し、代金を口座に振り込んでいただく仕組みになっています。このお支払いにギフトカードによるお支払いを付け加え、お支払いの際に選択できるようにします。
ただし、ギフトカードは現金ではありませんので、商品代金を一定の換算率で換算します。一例として、Amazonギフトカード(Eメールタイプ)の換算率は90%と設定しています。送料は換算しません。
例えば、商品代金が500円の場合、通常の銀行振込では
(商品代金)500円 + (送料)250円 + (振込手数料)220円
= 970円
が必要となります。
※振込手数料は他行口座から振込の場合です。条件により料金は異なります。
これをAmazonギフトカード(Eメールタイプ)での支払いにすると、
(商品代金)500円 ÷ (換算率)0.9 + (送料)250円
= 805円
※小数点以下切り捨て
という金額になり、銀行振込より165円お安くなります。
ちなみに、これまで利用していたショッピングカートの決済では
<BASEの場合>
((商品代金)275円(消費税10%) + (送料)250円)
× (決済手数料)6.6% + 40円 = 581円 ≒ 590円
→2個(500円)では1180円(375円高)
※BASEには個人間売買の概念がなく、価格はすべて消費税10%内税表示
<minneの場合>
((商品代金)250円 + (送料)250円
× (決済手数料)10.56% = 552円 ≒ 560円
→2個(500円)では1120円(315円高)
※minneは個人間売買が基本で消費税0%
となっており、上記ギフトカート支払いの方がお得になります。BASE、minneは高額だと思いますが、システムの設定上、こういう設定しかできないことがあります。出品者が「売れない」とボヤくことには理由があります。
商品代金(除く送料)1,500円以下の決済の場合は、銀行振込よりAmazonギフトカード(Eメールタイプ)がお得となります。ご都合に応じてご利用ください。
(追記・堀内)
ギフトカード決済はAmazonギフトカード(email)を推奨していますが、他のギフトカードや紙タイプの決済も対応できる場合があります。個別に対応しますので、詳しくはお問い合わせください。
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ポータルサイトやネット業者はもううんざりということで、河野と進めているクレジット支払い用のギフトカードだけども、当舎の仕入れでこれを使うことはあまりないと思う。
もくせい舎の仕入れの基本は実店舗で品物を手に取って購入するものだけども、どうしても通販でないと入手できないものがあり、それらはネットで購入している。
が、アマゾンや楽天、Yahoo!ショッピングを経由するものはほとんどなく、大部分が業者との相対取引である。つまり現金が必要で、代引きで支払っているけれども、送料や手数料を含めてもこれがいちばんコスパと信頼性が高い。注文は当舎のLINE注文と同じで、メールでやり取りし、受注の旨と総額を受け取って配送待ちとする。取引の平均期間は3日〜1週間ほどで、アマゾンみたいに翌日には来ない。
アマゾンを使うのは上記の店舗に品揃えがない場合で、リリーフとして使うことがほとんどだけども、Yahoo!と楽天はさらにない場合で、これらについては購入数量も少ないが品質については「並程度で可」としている。商品紹介と実品質の食い違いはアマゾンではあまりないが、Yahoo!ほかではあるものと思っている。現在はもくせいコーラのスパイスくらいだ。
頻度からいえば実店舗が70%、ネット相対が30%、アマゾンほかは計測不能といったところだろうか。アマゾンはまだ良いにせよ、Yahoo!やPayPayモールは手数料ばかりが高そうで、配送も気が利かないし、上前をむしり取るだけのすさんだ運営が行われていることが顧客にも分かり、業者も仕方なく付き合っている感じで、それが品質(上述したようにスパイス類なので)にモロに出ることがある。
Creema、minne、BASEは? もくせい舎では販売に使ってはいたものの、私自身は見たこともない、仕入れ相手にも使われていない、つまり普通の生活では縁がないが本当だろうか。Creemaやminneで良く出ていた劣化した石けんを袋詰してキロいくらというのは、購入して再生材料に使おうかと思ったことはあったけれども、顧客への裏切りになるので見送った。この問題は当舎ではすでに克服されている。
もくせい舎の在庫も計画的にとはいつも思うけれども、知らない間にさざれ石のように減ってきており、どの石けんも補充が必要になっている。河野によるとBASEの宣伝への影響はほとんどない、つまり切り捨てて良いとのことだけども、多すぎず少なすぎず、怠けていた分、しばらくは石けん補充の作業が続きそうである。
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BASEでの一件がありましたが、当舎の販売の性格は大部分商品自体の性格によって規定されます。手作り石けんは製造に時間が掛かり、材料費もそれなりの金額で、露店のタイヤキみたいに気軽に作ることができません。ですから販売相手を見極める必要があり、信頼できる相手に一個一個を丁寧に売ることが当舎の販売の基本です。
クレジット決済については、当舎はCreema、minne、BASEなどの手段を用意してきましたが、これらには手数料が高いという問題がありました。販売手数料だけでなく、売り上げを引き出す際に賦課される振込手数料、事務手数料を含みます。運営にも問題のあることは先の一件でも明らかです。率直に言って、これら業者との協業は当舎にとって快適なものではありませんでした。
例え話をするなら、例えばあなたが飲食店主で、食材を仕入れたいと思った時に、魚について何の知識もない魚市場の店主、野菜について詳しくない従業員のいる青果市場と取引したいと思いますか。こういったことは現実の世界では成り立ちません。
年初から検討していたのはeメールギフトカードを使った商品決済です。現金を受け取ることはできませんが、ネット経済は今後も発展が予想されるため、こちらもキャッシュレスは問題とならず、従来よりも容易にクレジット顧客の要望に応えることができ、顧客には千円以下の少額な取引でより有益なものとなります。換算レートは90%ほどを考えていますが、これは換金ショップより高い値です。
あと、匿名配送についてはニーズは多くありませんが、SMSを使うことで住所氏名をこちらに知らせずに配送できるサービスが日本郵便から提供されています。ギフトカードと併用すれば個人情報をほとんど秘匿することができますので、対応を考えたいと思います。
この2つのサービスの導入は今すぐでもできますが、細部についてはこちらも打ち合わせが必要です。利用可能になりましたらその旨告知しますので、よろしくお願いします。
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今日、NHKで「髪のトリセツ」を放送していましたね。見るつもりはなかったのですが、テーマがテーマだけに、つい気になって、最後まで見てしまいました。髪がパサつく、まとまらない、枝毛、白髪が目立つ、といったお悩みの原因が、髪の毛にできる空洞、というのは面白かったです。その空洞ができるのは、摩擦のせいというのも、目からウロコでした。
かねてから、髪に摩擦を加えるのはよくない、というのは聞いていましたが、それが髪の毛の空洞を生じさせているとは、知りませんでした。そこで、洗髪の方法として、摩擦を与えないために「よく泡立てて、泡で髪を洗う」という方法を紹介していましたが、泡立てるとき、髪をごしごししてしまいませんか? そこが、どうも腑に落ちませんでした。むしろ、髪を健康に保つためには、頭皮を清潔にすること、頭皮の乾燥を防ぐことが大切です。髪を健やかにするための洗髪の方法は、頭皮を指の腹でもむように、やさしく丁寧に洗うことです。髪はごしごししない、これは大事です。
ところで、もくせい舎の石けん「オリーブ・クリア」は細かな泡立ちとたっぷりのグリセリンが特徴の、クリアタイプの石けんですが、これで洗髪してみると、髪がシャキッとした感じでさらさらに仕上がって、とても使い心地がよかったです。
シャンプー石けんとしては「おじゃるシャンプー」がありますが、こちらは保湿性を重視しひまし油を加えているため、髪がしっとりと、やや重い感じにしあがります。髪がやせてきた人、コシのない人、ぱさつきをおさえたい人にはおすすめです。逆に「オリーブ・クリア」は油っぽさが残らないため、髪をさらっと仕上げたい人におすすめだなと感じました。
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ショップ再開以降の商品説明における【2023年2月27日におけるBASEカスタマーサポートの指図に基づく表示】という表記についての当舎コメント。
手作り石けんは銃器や覚せい剤と異なり、作ることも使うことも違法ではありませんが、薬機法で入浴に使用できるとされる「化粧石けん」と偽って販売することは違法です。商品に「石けん」という言葉を用いることも違法ですが、「石けん」という言葉自体は現在でも雑貨石けん、洗濯石けん、金属石けん(グリスなど)など多数の派生語が通用していることで一般名詞化しており、他に使用を禁ずる規定もないことから、薬機法での「石けん」は一般名詞の石けんではなく、化粧石けんを指すものと解釈できます。
化粧石けんについてはJIS(日本工業規格)K3301に規定があり、石けん分93%以上、遊離アルカリ0.1%以下、エーテル可溶分3%以下の固状の硬石けんで、「化粧石けん」はこの仕様に適合しなければならない(3項)とされています。
規定はこういうものですが、指図する側の傾向は往々にして実物を検討することなく、「化粧石けんでない=人肌に使用できない」と決めつけてくることがあります。ですが、法律の解釈と物質の物理化学的性質はどこまでも別のものです。薬機法も化粧石けん以外の石けんに人肌に使用できなくするような(毒物添加などの)処理までは求めていません。
毒物添加の例はあり、消毒用アルコールに含まれる高濃度のエタノールは希釈すると酒類として飲用できますが、メーカーは劇毒物のイソプロピルアルコールを添加して飲用できなくしています。ですが、これを求めるのは薬機法ではなく酒税法です。石けんについては薬機法はそこまで過激な仕様を求めていません。それに手作り石けんは物質的特性もJISの石けんとはかなり異なる例が多いです。人肌への作用を議論する以前の問題として、仕様が化粧石けんの定義を満たしていないものがほとんどです。
通報によりいきなり閉鎖されてしまったので当方も確認できませんでしたが、閉鎖前の河野の説明書きは薬機法について相応の注意書きをしていました。商品説明も抑制的なものでしたので、他のショップの例を見ても、問題はなかったはずです。
しかし、私が交渉したBASEの担当者は上記のような事情を理解せず、商品の説明書きを注意深く読むこともなく、同じBASEにある他のショップの例を調べることもなく、一方的に執拗な使用禁止の表示、画像にまで注意書きをすることを求めてきました。これは薬機法の規制の範疇を越えるものです。そのため、当方はBASEに二回確認の上、件の【2023年2月27日におけるBASEカスタマーサポートの指図に基づく表示】を、指示を受けた記述、画像に限って添付することとしたわけです。これはそれ以上でも以下でもありません。商品もBASE向けとその他で作り分けはしていません。
事情はこういうものですが、再開したBASE側の見解は、再開後も商品掲示を見てBASE側が不適切と判断した場合は協議を減ることなく一方的な判断でサイトを閉鎖するという横暴なものです。スモールビジネスに寄り添う姿勢もなく、商品を理解する意欲も意思もなく、クリエイターの人格も尊重せず、顧客の迷惑も省みず、闇雲に管理権を主張するこういった業者と関係を続けることは健全なビジネスとはいえません。
別途進めているクレジット販売につき手続が整い次第、BASEとの関係は解消することを考えていますが、事案の経緯については現在制作が進められている商品紹介のリーフレットと併せ、Kindle本として公表することを考えています。当舎での経験のほか、やり取りの全文も掲載しますので、ネットショップは儲からないとぼやいている向きや開設を検討している方には参考になると思います。
商品紹介のリーフレットではネットでの説明では十分とはいえなかった個々の商品の仕様や、手作り石けんについての当舎の考え方、品質管理について記述することを予定しています。配合比など具体的な情報も記載しますので、商品選びの参考にしていただければ幸いです。
追記
決定事項(3月2日)
以上のような問題があるため、協議の結果、BASEショップは3月末日をもって閉店することにしました。クレジットカード決済をご希望のお客様については本サイトで決済手段を月末までに用意します。
追記2 いたちごっこ
BASE事務局と交渉しつつ、何度言ってやろうかと思いましたが、BASEにもCreemaにもminneにも手作り石けんを販売している店は他にもあるんですよね、今でも。Creemaとminneは結構悪質で、何度閉鎖されてもしれっと復活しますがBASEにもいますね。もちろん知っているし、具体的な店名を挙げられるし、BASE事務局も「対応します」と毎回書いてきているけれども嘘八百で、今のところ何もしてない。でも、教えてやる気も相手する気もないんですよ。それは彼らを庇っているのではなく、スピード違反で捕まった時に「他にもいる」とジタバタ騒ぐのは見苦しいことと同じ。
法令違反を指摘されてサイト閉鎖までされたら、私だったらそのサイトには見切りを付けて二度と関わることはありませんが、これらはそれでも「ほとぼりが冷めたら」復活してくる所が異なる。面の皮が厚いと言えますし、そんな方の作る石けんが信頼できる代物かというと、自分の作る品に自信があったら「規約を参照しろ」の一点張りで法令に則った論理展開もできず、「画像にも加工しろ」なんて言い出すようなバカのいる会社(BASE)では売りたくないでしょうから、それなりの品でしょうね。
※BASE事務局との往還メールはネットショップ開設の参考資料の一つとして、「悪いツールベンダーの例」として、時宜を見て注釈をつけ、全文公開することを考えています。
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JUGEMテーマ:手作り石けん
(文責:堀内)
先日から10日ほど当舎のBASE店が閲覧できなくなっていましたが、事情を説明すると以前のCreema、minneと同じ電凸によるものです。
電凸とはネットのナードが良く使う手口で、当舎の場合は薬機法違反ですか、その旨述べ立ててサイト管理者に運用を停止させてしまうことです。確かに外観上だけを見れば指摘は当たらないことはない。
ですがこの論理を通すにはいくつかの問題があり、河野に頼まれた私がBASEと交渉し、何とか再開に漕ぎ着けましたが、こういう説得が通るということは、こちらの言い分にもそれなりの理があるということです。手作り石けんを巡る事情は、多くの場合、きちんと話せば分かります。
交渉の過程で私が河野に指図して商品を下げさせたので、しばらくの間はBASEでの購入はできませんが、それも回復すると思います。
河野に依頼された際、私は彼女に法と論理で話ができる相手なら説得できる自信はあるけれども、それ以外の理由(感情論とか恣意)になったら諦めたほうが良いよと言っていました。担当者の識見はかなり怪しかったのですが、ま、何とかしました。
BASEは通報した方については守る気もなさそうで、匿名で通報したから詳しくは分からないと返信していましたが、これは匿名でなく住所氏名など詳しく書いていれば教えただろうということで、企業のコンプライアンスの話とは違いますし、今回はこちらも追及する気もありませんが、通報者もそんなに安全なご身分ではなかったようです。
私としては、河野の依頼はクリアしましたが、依頼の内容はここまでで、ショップ復活に成功したのですから、後は彼女の運営次第となります。そもそも私はサイトの運営は河野に任せきりで、個々の商品は見てもいないんですよね。私が交渉事に失敗することはあまりありませんが、私は交渉より石けん作りの方が好きなので。
(追記)
もくせい舎は開舎当初の取り決めで石けんの製造や商品開発は私、顧客との交渉やサイト運営は河野と明確な棲み分けがなされています。私はショップの運営には口を出さないし、河野はユーザーの声や商品開発の希望を私に伝えますが、細部の仕様を決めるのは私です。保管も同様であり、注文があった場合は河野がメモを私に回し、保管している私が必要数を揃え、確認した彼女が伝票を作成し、検印は両者で行って出荷とします。だから、私が今回のような対応をすることは例外です。
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JUGEMテーマ:社会の出来事
(文責・堀内)
ウクライナで戦争が始まって一年が経過しましたが、戦争に伴う物価の高騰や品不足に対処していると、いろいろ気づくことがあります。
1.売れ行きはあまり変わらない。
元々手作り石けんの顧客は物の分かった人で、当舎のような手作りの石けんとスーパーの雑貨コーナーの石けんを比較してコスパなど考えたりはしません。買う人は買う、買わない人は興味もないし買わないと嗜好がハッキリしている商品のため、価格は少し上げましたが、戦争の影響はあまりなかったといえます。
価格については、もくせい舎の石けんはBASE販売のものを除き、原材料費に一定の定数を掛けたもので求めていますが、材料が30%上がったから3割アップということはなく、だいたい平均はそのくらいなのですが、ある程度の価格上昇は原価を厳しく査定して吸収するようにしています。
2.食習慣は変わらない
手作り石けんの材料は食用油ですが、これについては通貨安や産地の事情などがあり、この一年でずいぶん品揃えも価格も変わったものです。例えばなたね油は戦争前と比べ60%も値上げしています。グレープシード油のように以前は潤沢にあったものが扱わなくなった例もある。ひまわり油はウクライナが原産で戦争の煽りをモロに受けそうですが、当舎では使っていません。
日本の場合、政策推進者の名前が公にされることが少ないために、誰が発案者か分かりませんが、当局者は比較的原料を入手しやすく、供給も安定している米油を高騰しているなたね油の代用品として推奨しているようです。ですが、市場では潤沢に流通しているものの、供給はダブつき気味で、一部では値崩れの動きがあります。農水省の担当者の思惑は分かりませんが、食習慣は「簡単には変わらない」ことは思い知ったのではないでしょうか。
揚げ油はフィッシュ・アンド・チップスが名産のイギリスはラード、東南アジアではパーム油、ケンタッキーフライドチキンはピーナッツ油で日本ではなたね油です。ほか、コーン油や綿実油もあります。
韓国の辛ラーメンは麺をスープで煮込み、麺も太く茹で時間も長い独特のものですが、これは日本からインスタントラーメンの技術を継受した際に揚げ油に大豆油を使ったのが原因じゃないでしょうか。大豆油は油切れが悪く、揚げ上がった麺には油が残り、日本式のラーメンはあまりうまく作れなかったのではないでしょうか。技術を提供したのは明星食品です。だからチキンラーメン式のラーメンは韓国では普及しなかった。
食生活については、日本では料理の種類が多く、今日はカツレツ明日はおでんという光景が日常ですが、ほとんどの国の食生活はより保守的で、地元料理以外はあまり口にしません。どの国でも食材を変更することには強い抵抗があり、それでインドネシアはパーム油の輸出を制限しています。国内需要を満たすだけで精一杯だからです。
ロシアの戦争はエネルギーや飼料用小麦だけでなく、肥料に用いるカリ鉱石の不足をも来しており、2023年度の農業生産は不作が予測されます。オリーブ油はすでに不作ですし、その他の農産物も状況が現在より良くなることはないでしょう。
なたね油や大豆油は酸化しやすく石けんにはあまり向いていません。ですが、含まれるリノール酸は酸化しやすさとは裏腹に非常に泡立ちが良く、肌触りも滑らかで実に快適です。なんとか実用化できないかといくつか作ってみましたが、今販売している石けんになたね油を含むものはありません。
もくせい舎の石けん「佐和山」は現在はカタログ落ちしていますが、主材料に太白胡麻油となたね油※を用い、動物性脂肪(牛脂、豚脂)で固めた和風の石けんです。丁字で香り付けし、ハッカの清涼感のある石けんですが、今度作るときは冷蔵庫で熟成しようと思います。
※ 酸化しにくい銘柄を特に選んでいます。
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JUGEMテーマ:社会の出来事
(文責・堀内)
先のブログはあまり当舎らしくなく、自分のブログで書けばといった内容ですが、実は「説明すること」は当舎にとって重要なことです。ですが、合法的な方法で石けんを販売するために、説明には越えてはならない一線があります。
<これらの記述は薬機法で禁止されている>
1.「お肌スベスベ」など人肌に対する作用の記述(化粧品)。
2.「アトピーに効く」など薬理作用の記述(医薬品)。
化粧品として販売していても医薬品の記述をしたらアウトですし、当舎のような規制外の場合は化粧品の記述もアウトです。他には特に制限はありません。薬機法以外の法律もありません。
良く誤解されることですが、薬機法の規制の対象外である雑貨石けんや洗濯用の石けんなら、人に使って肌が荒れて良いとか、有害な作用があって良いといったことはありません。当舎でも入浴や洗顔をしてチェックしていますが、法は品質管理まで禁止していません。だいいち、そんな危険な品は製造や保管にも危険が伴うし、まともに売ることもできません。
手作り石けんを入浴に使用すること自体は違法ではなく、損失補償の枠組みがないだけで(薬機法の化粧石けんにも補償はありません※)、使用は自己責任というのが従来の説明ですが、それは作り手に対する信頼がなければ成り立ちません。しかし、より安全に利用するため詳しい説明をしたくても、法の壁がそれを阻んでいたことがあります。それでも当舎の表現は割と直截的ですが、店によっては隠語や持って回った表現をしているところもありますし、そちらの方がむしろ多いです。
※食品衛生法と同じく事故が起きた場合に販売を中止し、工場を操業停止にするための法律で、損害賠償の引き当てとなる資本の充実や供託、保険付保については規定がない。メーカーは自前で事業保険に加入して損失補填する以外に防衛手段はない。
で、前回のテーマに話を戻すと、記事のコメント欄の一つにChatGPTを用いた解答例があり、この対話型AIについて調べると、どうもこのAI、ネットに漂っている膨大な文字情報を記憶して自在に組み替えられるらしく、文章もこなれているが、見ると文章は過去に記録された別の文章の寄せ集め、一見して意味は通るものの、文字面から行間も著者の志操も読み取れないものになっていたことがあります。
(補記)引用のルールを破っている。
著作物の引用は引用元を明示することと、引用部分が大部分を占めないこと(主従の関係)が原則です。ほか、必要性の判断もありますが、前者二つの方が一見して理解でき明確です。ですがAIの場合は文章を分節レベルで再構成するため著作権法違反の主張はできず、証明も非常に困難なものになります。
これが何を意味するかというと、当舎を含め、過去に書かれてネットで閲覧可能なあらゆる文章が著者の同意もなく引用され、引用元すら分からない形に再構成されてしまうということです。隠語や婉曲表現については、そんな書き方をしていては、後に何に化かされるか分かったものではありません。
AIには感情がなく、著者の深謀遠慮など顧慮しないし、読者が読んで何を感じるかも全く考慮しない。機械的に羅列された単語とそれを繋げる論理があるだけです。そんなものが人の書いた文章の何十倍も押し寄せる時代がやって来る。一見して見分けが付けにくいことから、人が人の意思で記述した文章(とそこにしたためられた人の意思)は、何らかの方法で守られなければならない。それは人の尊厳を守るためであるし、我々の属する共同体を守るためでもあります。
AIの文章はいかに美文でも、そこに人を動かしたり、立ち止まらせたりする個人の意思は存在しません。読み手は人と人との繋がりに確信を持つことはできず、テレフォンセンターの自動音声のようなたわ言に延々と付き合わされるだけです。こういった事態に対処するには、少なくとも自分で発した言葉には、誰もが自分で責任を持つことができ、他者にもそれを示すことのできる保証の枠組みが存在しなければいけないでしょう。
実は前回のテーマには、当舎のあり方についても一石を投じる内容が含まれていました。しばらく検討を続けるつもりですが、ChatAIの急速な発展に対処するため、当舎の情報発信については基本的な考えを改めた、大きな変更を考えています。関係なくはないです。事態が急速に進んでいることから、こちらも考え方を変えます。
(追記)
我ながらかなり難解、ChatAIと石けんの話を強引に結びつけたのではと思える内容ですが、AIの書いた文章をいくつか読んでみて、当舎には他者に信頼を与える義務があると感じました。社長も従業員も全く関知しないAIが書いたPOPや効能書きを読んで物を購入したり、ブランドを盲信したりする光景は見るからに寒々しいものです。テクノロジーを持つ者と持たざる者の二極分化も進むでしょう。人の誠意も無感情のAIがほとんど同じ内容を書いてきて並べられたら、読んだ人間には区別が付きません。人々がこのまま何もしなければ、その後に広がるのは何事にも無関心、無感情なアパシーの世界です。進歩は止まり、人々は与えられた消費財を淡々と消費するだけの灰色の人生を送る。これは人間性の危機だと思いますし、言葉だけでなく具体的な行動が必要です。AIにはできないそれをすることが今まで以上に重要だと感じています。
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JUGEMテーマ:社会の出来事
(文責・堀内)
今朝のYahoo!ニュースフィードで読んだ内容だが、中高一貫校のある学校ではこんな問題が出されているそうだ。記事のタイトルは上記画像の通り。
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あなたの目の前に次の意見を述べる人が現れたとして、あとの問いに答えなさい。
「甘いモノって、誘惑は強い割にだいたい体に悪いじゃないですか。肥満とか生活習慣病にも繋がるし。だから、国なり県なりで税金をかけて、値段を上げていけば自然と国民・県民の健康が増進されるって思うんですよ。子供の身体の生育に必要な部分もあるでしょうから、料理に使う砂糖とかは例外として、生活習慣病の人の食生活をある程度追い駆けてみて、どう見てもいけないなぁと思うような品目だけでいいんですよ。課税しましょう。」
問 あなたはこの人と対話をしています。この人の意見に160文字以内で反論しなさい。
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問題を読むと受験生よりも、むしろ出題者に危ういものを感じる。まず問題だと思うのは設問に「反論しなさい」とあり、回答に一定のバイアスを掛けていること。
しかも周到なことに、諸外国には生活習慣病の予防に砂糖税を掛けている国があり、また、生育中の子供に間食による栄養源が必要なことは栄養学上の常識である。その上、砂糖は嗜好品で米や麦のような生活必需品ではないので、こういった個々の部分に反論しても出題者の術中に嵌まるだけで、説得力のないつまらない議論しかできないことがある。再反論されて設問見解に賛成させられることが考えられ、これはカルト教団が多用するような、洗脳のテクニックの一つにも見える。
現に記事の回答も、いい大人が書いたにも関わらず、すぐに再反論されそうな情けないものしかない。
「確かに甘いものが健康を害する可能性はあるけれど、だからと言って社会にとっては不要なものである、と断じるのは「文化の否定」である(64字)。」
−−−−国民の生命健康と「文化」を比べた所で説得力がない。
「「生きるのに役立つものだけあればよい」「必要ないものは削ればいい」という考え方は一見正しく聞こえますが、優生主義にもつながる(62字)。」
−−−−例文では甘いモノは「だいたい」体に悪いとあり、断定はしていない。
やはりこの設問の問題点は、例文について賛成か反対かを十分に検討させずに反論することを求めていることで、これでは内心と関係なく、上位者の指示に盲目的に人を誹謗したり中傷する人間を称揚することになりかねない。これは思慮深い人間(prudent man)による自己統治という民主主義の根幹を破壊するものである。出題者はそこまで考えたのだろうか。というより、この学校(SFC)大丈夫だろうか?
改めて設問を読むと、「甘いモノ」については、甘さの感覚は人それぞれで、健康に悪いのは「甘い」からではなく、含まれる糖分の過剰摂取により体内に中性脂肪が蓄積され、それが生活習慣病を引き起こすことにある。同様の問題は脂質や塩分にもあり、「甘いモノ」だけを特別視する理由はない。課税するにしても「甘いモノ」の定義が曖昧なので、仮に法令で品目を定めたとしても、税法では漠然性ゆえに無効の法理によりリストそのものが違憲無効となることがある。規制の実効性を担保できない以上、設問主張は無意味かつ無価値である。より精確な検討を通じて再考されたし。こういった答えになるだろう。
160字は超えてしまったが、これは出題者のレヴェルに合わせ、小学生っぽく哀れっぽく表現を抑えて書けば、もう少し短く縮められるに違いない。私がやると、たぶん出題者の教授にブスブスと五寸釘を打ち込むようなものになり、立ち直れないかもしれない。
設問の見解については、私にはそういう考えもあると賛成できる部分もある。法技術的な観点を除けば、糖類の摂取と糖尿病等の疾患とは因果関係があることは疫学的に証明されており、論旨は科学的にかなり正しい部分を含んでいる。ここで反論に失敗して落第したとしても、出題者とそもそもの設問に看過できない大きな問題があることから、それが受験生の不名誉だとは思えない。むしろ悪に加担せずに済んだ分、長い目で見れば幸運で助かったと言えるのかもしれない。
JUGEMテーマ:国内小旅行
(文責:河野)
全国旅行支援を活用して、長野県松本市にある浅間温泉に行ってきました。浅間温泉、という名前から浅間山の山麓にある温泉だろうか、と思われるかもしれませんが、実は松本城からおよそ10キロの松本市郊外にある温泉街で、浅間温泉のホームページによれば、長野県内の温泉の中でもトップレベルの湯量を誇るそうです。
初代松本藩主の石川数正が「御殿湯」を置き、以来、松本城主が通う「殿様の湯」となったという歴史ある温泉です。御殿湯の初代湯守は、石川数正の三男、康次の子石川昌光。2代目藩主の石川康長と、弟の康次が大久保長安事件のあおりを受けて改易(所領や侍の身分を没収されること)されたことから、石川昌光は小口楽斎と改名、湯守としてこの温泉を代々守り継いでいくこととなりました。
古くからの温泉街は、温泉旅館が立ち並び、温泉に入るには旅館に宿泊しなければならない、ということがありますが、2017年に、この御殿湯の詰所跡に日帰り温泉「枇杷の湯」が開設され、殿様の湯に気軽に立ち寄れるようになったようです。
あいにく、訪れた日は、殿様が入ったという「野天風呂」はリニューアル工事中で入れませんでしたが、大浴場にて、そのお湯に浸かってきました。弱アルカリ性単純泉ということですが、源泉から引かれたお湯はかすかに硫黄臭があり、よく体の温まるお風呂でした。ウィキペディアの記述によれば、第1号源泉のみ微かな硫黄臭を感じる、ということで、ここは第1号源泉のお湯だったのかもしれません。
ちなみに、宿は近くの「みやま荘」に取りました。こちらのお風呂は、まさしく無色無臭の弱アルカリ性単純泉のお湯で、お肌がつるつるになりました。
ところで、全国旅行支援ですが、これを活用して何度か旅行をしましたが、支援としては(1)宿泊料金の割引(2)宿泊した都道府県で使えるクーポン券の支給(1泊あたり1,000〜3,000円)がセットになっています。
このうち(2)のクーポン券は地域によって形態が様々で、神奈川県、静岡県、長野県はQRコードで決済するタイプのスマホアプリ、山梨県と島根県は1000円単位の紙のクーポン券(お釣りが出ない)でした。宿泊施設にチェックインしてからもらえるので、1泊2日の場合は実質2日目からしか使えず、地方によってはコンビニか道の駅ぐらいしか使えるところがないようなところもあり、使い勝手がよいとはいいがたいものでした。
今回の旅行でもらった、長野県のクーポンは、使えるところがかなり多岐にわたっており、使いがいがある感じでした。ただ、お店の側は事前申請など手続きが煩雑なため、個人経営の小さな店など、観光地の店であっても使えるようになっていないところも多く、観光業の従事者への支援とはいっても、大手に支援が偏りがちという歪みが出てしまうのが気になるところです。
ともあれ、当初は1月末で終わる予定だった全国旅行支援は、予算が残れば4月以降も継続できるということになったようです。また機会があれば、この制度を利用して、温泉めぐりをしてみようと思っています。
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JUGEMテーマ:生活情報
(文責・堀内)
もくせい舎の清涼飲料「もくせいコーラ」は各種スパイスと柑橘類を調製したスパイス飲料だけども、作った私としては毎日飲んでいてもう一味欲しいとか、ここはもうちょっとというのがあり、作る度に配合を少し変えている。
作ったコーラはある程度ストックしておき、アレンジしたものは最初はそのまま試飲するけれども、残りはストックに加えることにし、味が急激に変わらないよう配慮している。なので河野なんかに飲ませても「いつも同じじゃない」と揶揄されるけれども、それはそれで良いと思っている。
ただ、作っているうちにコンセプトが変質してきたことがあり、最初は一般的な配合で他にも売られているクラフトコーラに遜色なければ良いくらいだったのが、知名度がなく売れないせいで二千円以上お買い上げの添付品としてしか出ないことから、売り物というよりは自分向け、採算度外視の傾向がだんだん強くなってきた。正直コストはあまり計算したくない。
マカは南米原産のアブラナ科の高地野菜で、この科の作物はどれも滋養がある。強精剤として高価な精製された品しか入手できなかったけれども、偶然乾燥した原料品を見つけ、物は試しと中国から取り寄せることにした。南米原産のはずが何で中国なのかは後述する。到着まですったもんだあり、やっと到着したのが二月後、さっそく急須に入れて試飲したが、コーラに欠けていると思っていた苦味があり、配合など検討して加えることにした。数gではなく、かなり多い分量。
効能の方は毎日飲んでいる私も「分からない」というのが本当だけども、欠けていた味は補うことができ、気に入ったので、いつ届くか分からないことから在庫を追加注文した。
中国産マカの故郷は麗江(Lijiang)という街で、昆明の北、ミャンマー国境に近い雲南省にある。街自体二千メートルを超える高地で、市から30キロの玉龍雪山の山頂は5,500m、市の中心からわずか10キロの丘陵で三千メートルを越える。人口は案外多く120万人あり、うち10万人がマカ栽培と関連産業に従事している。人工衛星で見るとこんな僻地にも関わらず夜は煌々と輝いており、繁栄していることが伺える。というより、街自体マカのためにあるような地域だ。マカは森林限界をとうに超えた4,400メートルでも生育することができる。市に漢民族はほとんどおらず、人口の大半は少数民族である。
しかし、こんな想像を絶するような場所に城塞を建てて支配していた中国人も中国人なら(元軍まで来たらしい)、現代にここを探し出してマカを持ち込んだ資本家も資本家である。見ればつい先日まで中国とは仲の良かったドイツ資本のようであり、麗江市自体ドイツのバート・ホムブルク・フォア・デア・ヘーエ市(直訳すると「ホムブルク高原温泉」)と姉妹都市提携を結んでいることがある。マカの説明もドイツ語だったので、類は友を呼ぶ、健康志向と温泉で、この二つの都市は仲が良いようである。
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JUGEMテーマ:社会の出来事
(文責:堀内)
大手の回転寿司店を中心に「寿司テロ」と呼ばれる飲食店へのイヤガラセと動画の拡散が問題になっているけれども、どんな様子なのか平日の昼下がりにスシローを訪れてみた。
店内はこんな感じで時間帯もあるが、それにしても客が少ない。
早くもアクリル板が設置されており、「ただ今、レーンではオーダー品のみの提供となっております」という立て札が流れている。スシローとくら寿司は直送レーンを備えないため、注文はすべて回転レーンで運ばれ、イタズラの餌食となっている。昼食は食べていたのでマグロやサーモンなど数点を注文した。
注文した品、回転寿司としては可もなく不可もない品だが、写真だけでは分かるまい。
<コメント>
寿司の食べ方については、普通は軍艦などを除き、握りを手首でひっくり返してネタに醤油をつけ、ネタが舌に触れるように食べるけれども、回転寿司は逆で皿に載せられた形のまま、ネタを上に乗せ、シャリが舌に触れるように食べることが多いように思う。普通の握りと異なり、回転寿司は冷凍またはロボットが握ったシャリの上にアルバイトがネタを乗せるだけなので、普通の食べ方だとネタが落ちてしまい、シャリも折れてむしろ食べにくいものになる。
普段は私もそうしているけれども、今回は試しにということで先ずネタを外してワサビを盛り、その上からネタを少し押さえつけて落ちないようにし、普通の食べ方で食べてみた。そうすると案外色々なことが分かる。
やっぱり気になったのは、ポリリン酸塩やトレハロース、あるいはグリセリンといった鮮度保持剤がいたずらのせいもあって、かなり多めに使われていることだろうか。食肉魚介類の鮮度保持は「〇〇エース(薬)」一つで片付くほど単純なものではなく、冷蔵温度や保管方法など複数の方法を組み合わせて用いるものだけれども、食べて分かるくらいなのだからよほどなのだろう。発色剤には亜硝酸塩やビタミンCがある。
使用量は多いといってもppm単位の話で、個々にはもちろん毒だけれどもそれほど気にする話でもない。亜硝酸塩については唾液などで人体が作り出す方がよほど多い。
それにそれが分かってしまうのは食べ方が悪いせいで、普通ではなく回転寿司式のシャリを舌に乗せる食べ方にすればほとんど気にならない。かなり使われていると分かるのは、ネタを剥いだ時にドリップがほとんど出ないから。回転寿司に限ったことではなく、スーパーの肉魚なども、販売店の事情に応じて加減しているが、かなり使われている。
ただ、スシローに関して言えば、「かっぱ(そしてたぶんくらも)よりは多い」と思えるくらいで、いろいろ言って知らない人に波風を立てる必要はないのではないか。
それでも鮮度が平均的に良ければ、こういう措置をする必要はあまりなく、ネタを舌で転がしても不自然さを感じることはないと思うが、何しろ全国規模の大手チェーンである。新鮮な材料が常に手に入るとは限らない。全体的に見て、家庭用冷蔵庫で3日くらいの鮮度に照準を合わせているのではないだろうか。
鮮度保持剤の話になってしまったけれども、事件については本当にお気の毒としか言いようがない。回転寿司が食文化に与えた影響は大きいけれども、それについて書くのは別の機会にしたい。
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JUGEMテーマ:手作り石けん
(文責:堀内)
先月に在庫限りを持って販売を終了することをお知らせした「釜炊きオリーブ石けん」と「犀(もくせい)」ですが、製法を変更したリニューアルを予定しています。より固く崩れにくく、加熱時間を短くして素材の良さを生かした新石けんはまもなくリリース予定です。従来の石けんとの違いはハッキリと体感できるものになります。
手元にある石けん素地に限りがあるため、当面はラインナップの拡充を図るつもりですが、新しい製法では製作時間が大幅に短縮できるので、一注文一個のオーダーメイド石けんの製作も可能です。これらは順次アナウンスしていこうと思います。
「ケトルソープ」という呼び名ですが、従来は「塩析石けん」と呼んでいました。けん化した石けんを飽和食塩水で煮沸すると石けん分が分離され、冷却すると白い塊状の石けん素地になりますが、石けん分を90%以上含む上面はニートソープ、40〜50%の不純物の多い底面はニグレと言います。ニグレは再精製して新たな石けん材料にしたり、水和して溶け落ちたり(廃棄)しますが、ほとんど泡立たないので石けん素地には使えません。従来から「犀(もくせい)」の材料に用いてきたのはニートソープです。ですが「ニート(不純物のない)」という名前はいかにも語感が悪い。
そこでニートソープの別名である「ケトルソープ」を塩析法を用いた石けんの呼称として今後は用いることとし、従来からあるコールドプロセスの石けんとは区別して、分類もそれに従うことになります。
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JUGEMテーマ:手作り石けん
(文責:河野)
先日の記事でご紹介しておりましたが、エントリーラインの新商品として、100%米油の「純米石けん・穣(みのる)(250円)」を発売しました。石けんとして優れた特性のある米油に加え、米ぬかを発酵させた米ぬかエキスを加えた、お求めやすい価格の新型石けんです。
米油から作った石けんは、とても肌触りがなめらかで、添加オイルを加えずともしっとりと肌をつつむ保湿感が残ります。発酵させた米ぬかは、もくせい舎の地元・滋賀県産の米からとったもの。発酵エキスを加えているので、石けんそのものにスクラブ感はなく、とても使い心地よく仕上がっています。
オールマイティに使える石けんです。ぜひ手元に置いて、デイリーユースにお使いください!
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JUGEMテーマ:日々徒然
(文責:河野)
先日、知り合いから古い石けんをたくさんいただきました。年末に掃除をした際、押入れの奥から、いつのものだかわからない、古い石けんが大量に出てきたので、もし再利用できるなら使ってほしい、と譲ってくださったのです。
いただいたのは、花王の「ホワイト」。調べていると、現在もパッケージを変えて販売されているようです。パッケージを見ると、「クリームみたいな泡立ち」がウリの石けんだったことが伺えます。おそらく40年ぐらい前のものと見受けられましたが、入っている香料の匂いがきつく、開封前から匂いが立ち込めていました。
早速製造担当の堀内が、細かく砕いて鍋に入れ、塩析をし始めました。添加物がいろいろと加えられているようなので、石けん分を分離して取り出すためです。
しかし、この作業には手慣れている担当も、なかなか今までにはない振る舞いを見せることで、やや手こずっているようす。一体、どんな油脂を原料に作られた石けんなのでしょうか。
パッケージには、添加物の表示しかありませんでしたが、一番のウリである「クリームのような」泡立ちのために加えられているのは、どうやら「セタノール」という成分のようです。そこで、セタノールについて調べてみたところ、クジラの油から取れるアルコールの一種であることがわかりました。
もう捕鯨が禁止されてから久しいので、こうした原料が用いられているということは、まだ捕鯨が禁止されていなかった1986年以前に製造された石けんだと考えられます。石けん素地の原料となる油脂も、クジラの脂(鯨蝋)を使っていたのではないかということでした。
ちなみに、もともとは日本だけでなく欧米でもさかんに捕鯨が行われていましたが、それは、クジラから大量に取れる鯨油が目的でした。灯火用の油、ろうそくの原料、石けん原料、機械用潤滑油などに幅広く用いられていたのです。
石けんにも歴史あり。そんなことを感じさせてくれた「花王ホワイト」でした。
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JUGEMテーマ:手作り石けん
(文責:堀内)
今回は、商品価格等の変更と、新商品についてのお知らせです。
下記のとおり、一部商品の価格を変更します。
パルマ・クリスティ 280円→300円
原材料価格の高騰により価格を変更します。変更に伴い厚さを23ミリから25ミリ(80g→90g)と分量アップしています。レシピの変更はありません。
もくせいコーラ(小) 280円
従来の(中)サイズ240gに加え、半分の分量である120gの販売を開始します。レシピも変更し、スパイス分を従来よりアップさせています。
また、エントリーラインの新商品として従来のもくせいバード、カスティール石けんに加え、100%米油の「純米石けん・醸(かもす)(250円)」を発売します。石けんとして優れた特性のある米油に加え、米ぬかを発酵させた米ぬかエキスを加えた、お求めやすい価格の新型石けんです。
純米石けん・醸(かもす)については、後日、あらためて商品紹介をさせていただきますので、ぜひ、お楽しみに!
もくせいコーラの美味しい飲み方
今の時期は寒いので暑い時期に飲まれるコーラは時期外れです。ですがもくせいコーラは原液で、そのままお湯で割って飲むことができます。分量もカロリーも炭酸水で割るよりだいぶ少なくて済みます。シナモンの香りが立ち、僅かな酸味と香辛料の清涼感のあるこの飲み物は単なる茶やコーヒー、そして嗜好性に偏りすぎた現在のコーラよりも個性があり、晩酌や寝酒、あるいは喫煙の代わりにもなります。薬理的な作用についてはこのコラムでご紹介することはできませんが、大晦日と正月三が日の酒席で効果を体感したことから、今後販売する商品はお湯割りを前提に単位あたりの分量を減らし、砂糖を減らして香辛料を増量する方向で調製することにしました。なお、販売数量は120gと240gのみですが、オーダーで必要な量を注文することもできます。
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JUGEMテーマ:手作り石けん
(文責:河野)
あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
もくせい舎では、独自に研究した製法で、オリーブオイル100%の石けんを製作しています。きめ細かな泡が肌にやさしい、最上級の石けん「釜炊きオリーブ石けん」です。
そんなプレミアムな石けんを、お買い求めやすいセットにしてお届けすることになりました。
【数量限定・4個セット】オリーブ100%の石けん4種セット
オリーブオイル100%で作った石けん、4個セットです。8セットの数量限定品です。
「釜炊きオリーブ石けん」と、コールドプロセス製法を用いてオリーブ100%で作り上げた「オリーブ100」シリーズ3種「ガスールクレイ」「ラベンダー」「アルガン」をセットにしました。
(注記)
4種のうち釜炊き製法で作られている「釜炊きオリーブ石けん」は長時間乾燥させたため中央部に凹みがありますが、これは中心部の方が含水量が多いためで品質不良ではありません。残り3種は本来は「釜炊き」の原料石けんですが仕様を変え、ゾルザイフェ式のコールドプロセス製法で仕上げています。
【数量限定・2個セット】マルセイユ石けん・釜炊きオリーブ石けん
オリーブオイルで作った石けん、2個セットです。18セットの数量限定品です。
オリーブオイル72%の配合をベースに、釜炊きオリーブ石けんの製法を用いて作り上げた、本来の意味での「マルセイユ石けん」と、「釜炊きオリーブ石けん」の2個セットです。
(注記)
我が国で手作りの「マルセイユ石けん」として紹介されている石けんはコールドプロセス製法ですが、本来のマルセイユ石けんはケトルソープ(原石鹸を煮沸し、石けん分を取り出して固めたもの)です。本石けんの製法はケトルソープのため、紹介では「本来の意味での」と付記しています。
いずれも、お買い求めやすい価格設定でお届けいたします。やさしい泡で、冬の乾燥しがちなお肌をいたわってみてはいかがでしょうか?
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JUGEMテーマ:手作り石けん
(文責:堀内)
現在のもくせい舎はコールドプロセス石けんとその応用であるクリアソープ、釜炊きオリーブ石けんと「犀(もくせい)」、犀香の塩析石けん(ケトルソープ)を販売していますが、釜炊きオリーブ石けん、犀、犀香については在庫限りで終売とします。
(1)釜炊きオリーブ石けん
すでに在庫が少ないため、角型については新製したオリーブ100とのセット商品、丸型についてはやはり新製のサボン・ド・マルセイユとのセット商品とします。それだけの数しかないためで、抱き合わせ販売となりますが個々に購入するよりはお値打ちな価格にしたいと思います。なお、オリーブ100とサボン・ド・マルセイユはセット販売のために用意された専用品です。継続製造の予定はありません。セット販売についてはホームページの変更で告知します。
<予定販価>
?釜炊きオリーブ石けん+オリーブ100三種セット・・・・1,000円
すべてオリーブ100%の石鹸4個セットです。
?釜炊きオリーブ石けん+サボン・ド・マルセイユ・・・・500円
釜炊きオリーブとオリーブ72%のマルセイユ石鹸の2個セットです。
(2)犀、犀香
在庫限りで終売とします。犀香については完全に終売とします。
これらの商品については以上の通り終売としますが、釜炊きオリーブ石けん「犀(もくせい)」については、より機能の高い新型石けんのリリースを予定しています。新型の製造は順次行うため、完全に置き換えるまでには時間が掛かります。定評のある商品を販売終了することは当舎としても悩ましいところですが、より商品性を向上させるためにやむを得ない判断だと思っています。
コールドプロセスその他の石けんについては従来どおりの販売を続けます。また、上記で終売を予告した商品についても、現在販売している「犀(もくせい)」は在庫のある限りは今まで通り購入が可能です。
(新製品(セット専用品)の紹介)
・オリーブ100
釜炊きオリーブ石けんの材料(原木)となっていたオリーブ100%でゾルザイフェ製法のコールドプロセス石けんです。原木と異なり各々アルガン、ガズールクレイ、ラベンダーを加えて機能向上させています。
・サボン・ド・マルセイユ
当舎にはすでにコールドプロセス製法のマルセイユ石けんがありますが、それとは別のケトルソープのマルセイユ石けんで、本来の意味でのマルセイユ石けんです。釜炊きオリーブ石けんと同じ製法ですが、より泡立ちがよく使いやすい石けんになっています。
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JUGEMテーマ:生活情報
(文責:河野)
年の瀬も押し迫ってきました。大晦日に向けて、ぼちぼち大掃除を始めている方も多いのではないでしょうか。
そんな年の終わりに、年に一度だけ洗濯する習慣になっているのが、部屋のカーテンです。薄いレースのカーテンと、遮光性のある厚いカーテンの2枚がさねにしているお宅が多いと思いますが、毎日見ているだけに、汚れていることに気づかないもの。実際、あまり目立った汚れはつかないものですが、つい、汚れた手でカーテンを触ったり、こぼした飲み物がかかったりして、シミがついてしまうことがあります。
我が家のカーテンにも、実はシミがついているところがあってずっと気になっていたのですが、普通に洗濯しても、もう染み付いてしまって取れないだろうと諦めていました。でもせっかくなので、と思い立ち、固形石けんを使ったシミ落としにチャレンジしてみました。
固形石けんを洗濯に使う、というと大変そうに思えるかもしれませんが、実は結構簡単です。カーテンの場合、吊るしたままの状態で、汚れた箇所に、少し湿らせた石けんをそのままこすりつけ、汚れの上を石けんでコーティングするようにします。泡立てる必要はありません。
次にカーテンをはずして、そのまま洗濯機で洗剤を入れて洗濯するのです。そうすると、厚めに石けんを塗りつけたところのシミが、きれいに取れます。
なぜ固形石けんが良いかというと、液体の洗剤とちがって、液状にするために薄められていないので密度が高いこと、そして、布に染み込まず、汚れをカバーした状態で洗濯できることです。
石けんには界面活性剤が含まれています。これは、油汚れと結びついた状態で、水に溶けるため、布についた油を引き離し、洗濯の水に溶け込ませるという働きをします。普通に洗濯機に洗剤を入れて洗濯した状態よりも、シミに直接石けんを塗りつけた方がずっと多くの界面活性剤がはたらくというわけです。
ついてから、かなり時間のたったシミでも落とすことができましたので、気になるシミがある方は、ぜひ固形石けんを使った洗濯を試してみてください。
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JUGEMテーマ:生活情報
(文責:堀内)
クラフトコーラを作る目的は様々ですが、配合はシナモンを中心にクローブ、カルダモンを配するのが定番です。当舎もその式に拠っていますが、当方は強心剤である紫蘇やエキゾチックな香りのあるスターアニス(八角)、解毒作用のあるコリアンダーと生姜を加えており、通常のこの種の飲料と比べ、やや苦味のある配合にしています。また、柑橘類はこれも定番のレモンのほか、温熱作用のある陳皮を多く加え、クエン酸を増強しています。
紫蘇やコリアンダーを配したのは私の母親が生まれつき心臓が弱く、強心剤の救心を常備薬にしていたことがあります。救心みたいに高価な材料(熊の肝臓にガマの油や鹿の角)は使えませんが、自分用に作った浄血作用のある漢方薬(桂枝茯苓丸)も少し加えました。ただ、薬効を言うには嗜好性が強すぎ、これは薬理作用というより数多ある同種製品との差別化の方が強いでしょう。
(原材料・投入順)
糖類(上白糖・グラニュー糖)、シナモン、クローブ、カルダモン、フェンネル、陳皮、コリアンダー、赤紫蘇、スターアニス、レギュラーコーヒー、ローレル、手製漢方薬、レモン果汁・果皮、生しょうが、クエン酸、ミネラル塩、バニラエッセンス
これだけ材料を入れれば煮沸するだけで色は付きますが、糖類の一部はカラメルとして色付けしています。これも糖蜜が原料の上白糖と、サトウキビが原料のグラニュー糖は違い、いろいろ試してみましたがより色が濃い上白糖をカラメル化しています。
カフェインは初期のコーラにはカフェインを含むコーラナッツが使われていますが、ナッツは現在は入手困難のため、より使いやすいコーヒー豆を使っています。覚醒作用のあるコカの実は現在は禁制品ですが、温熱や疲労回復作用のあるスパイスの組み合わせで近い作用を持つようにしています。
作ってみると市販のコカコーラやペプシコーラがいかに美味しく、良く出来た飲料か分かりますが、これはどのクラフトコーラにも言えることで、当舎のコーラもコカコーラやペプシと比べればあちらの方が美味しいと思います。地ビールもそうですが味そのものでキリンやサッポロのそれに勝るものは稀で、これは個性を楽しむものです。
販売価格は1個500円ほどを考えていますが、分量は1Lの炭酸水1本分の量で考えています。お湯で割っても良く、その場合は4:1の炭酸水と原液の割合を6:1くらいにすれば飲みやすく、嗜好性の強い個性的な飲料になります。
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JUGEMテーマ:経済全般
(文責:河野)
日本では、2010年代からゼロ金利政策という金融政策が採られており、基本的に、銀行の預金につく利息の金利は、ほぼ0といっていいような低い数字に抑えられている。そのため、ただ銀行の口座にお金をいれておくだけでは増えることはなく、お金を「ふやす」には、株や投資信託といった金融商品の売買で利ざやをゲットする必要がある。
そういう状況の中で、増えてきたなあと思っているのが、「手数料」を取るサービスである。たとえば、多くの人が一般的に利用しているネットショッピングのサイトでも、商品を売りたい人は、商品が売れるたび、その代金の数%をネットショップ作成サービス会社に支払わなければならない。
ネットショップだけではない。以前から使われていた「クレジットカード」で支払いをすれば、決済手数料が取られる。スマホを使ったキャッシュレス決済でも同様である。それらの決済手数料は、店舗側が負担するものなので、購入する人は気づかないわけだが、その数%の手数料も、当然に商品価格に上乗せされている、ということになる。
そうなると、支払いごとに決済代行会社が手数料を取る、ということになるから、キャッシュレス決済が広まれは広まるほど、商品価格にその手数料分が上乗せされて、結果的にはモノの値段が上がり、消費者にとっての負担が、見えないところで増えつづけているのではないか、と考えてしまう。
こうした、支払いのたびに手数料を取るビジネスを、個人的に「手数料ビジネス」と呼んでいるが、こうした形が広まったことの背景の一つに「ゼロ金利政策」があるのではないかと私は思っている。
例えばネットショップ開設サービスでは、レンタルサーバーと同様月額・年額の固定料金を払えば使えるサービスもあった(以前のカラーミーショップなど)。そうすると、売り上げの多少にかかわらず一定の金額を払えばネットショップ作成サービスが使えるので、固定費が低くおさえられ、売れば売れるほど利益も増える。
毎月一定の使用料金が入ってくるということは、サービスを提供する側にとっては安定収入が見込める一方、大きく収入を増やすにはネットショップの開設数を増やすしかなく、ハードルは高くなる。だが、銀行に「金利」というものがあれば、集めたお金をプールして増やすこともリスクなくできるので、十分にメリットがあったと考えることもできるだろう。(月額固定料金を払ってサービスを受ける、サブスクは、膨大な顧客を持つことが可能なので、これで成り立つんだと思う)。
だが、いつ終わるともなく続くゼロ金利政策では、集めたお金をプールして増やすということは、ほぼ不可能に近い(投資しなければならず、リスクをともなう)。つまり、集めたお金を増やすことが難しい金融政策が続けられているために、別の形で利益を生み出そうと、「手数料を取る」という形のビジネスが増殖しているとも考えられる。
携帯電話キャリア会社についても同じで、電話料金という固定費に、スマホ決済というプラスアルファが上乗せできるので、スマホに決済機能を搭載して決済手数料を取る、というのは実においしいビジネスなのだろうと思う。
だが、商品を売る側にとっては、この手数料はなかなかに厄介だ。価格への上乗せを強いられることになるからだ。考えてみれば、個人と個人との売買取引であっても、そこに消費税という形で国家が、決済手数料という形で企業が中抜きしている。このままでは、その取引の両端にいる生産者・販売者と消費者は、やせ細っていくばかりではないだろうか?
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JUGEMテーマ:手作り石けん
(文責:堀内)
ウクライナ戦争とコロナの後遺症で物価が上がっていますが、石けんの原材料となる油も同じで、おしなべて20〜30%値上げしています。今のところは仕入れを工夫するなどして値上げは抑えていますが、4月以降に再度の値上げがあるということで、家計は戦々恐々としています。
ただし、材料もよくよく見ると値上げ幅の小さいものやほとんど値上げしていないものもあります。米油はその一つで価格も安定していて流通量も増えており、入手しやすい油です。これを使わない手はない。
私の印象では、この油は手作り石鹸の世界では案外使われており、道の駅なんかで細々売っている石けんなど使っているケースは多いと思います。取り立てた特長はありませんが石けんにしやすく、オールマイティであることから硬さや泡立ちなど他の油の欠点を補う形で使われることが多いようです。実は当舎でも使ったことがあります。カノラエルとかミストラルとか、突出した部分を中和するのに使ったと思います。
当舎は市場経済ベースではあまり勝負にならない特別な品を作っていると思いますが、「特別=高い」の図式には限度があります。価格は原材料費から割り出しており、不当な価格設定にはしていませんが、それでも手作り石けんの良さはそのままに、買いやすく使いやすい石けんは必要だと思います。現在までではもくせいバードとカスティール石けんがそれにあたります。虚飾を排し、シンプルな作りで基本性能だけ作り込んだものですが、もう一つくらいあっても良いと思います。
お米の石けんは通常、この種の石けんは米油のほか、ヤシ油、パーム油を配することが多いのですが当舎では米油100%とし、溶媒には米ぬかを発酵させたエキスを用います。二本作った印象では当初から軽やかな泡立ちで特に問題はなさそうですが、本格的なテストは1月の完成後です。100%としたのは、この油は全方位的で、特に他の油で補完しなくても大丈夫と分かっているからです。
米ぬかは当方で日頃購入している米穀店からもらったものを用います。精米の際に出るもので、いつもは貰わずに帰るのですが、今後は確保の必要がありそうです。これに米麹を混ぜて発酵させ、上澄み液を石けんに用います。
当舎の場合、商品開発というよりはこのように必要に応じて制作するケースが多いです。
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JUGEMテーマ:社会の出来事
(文責:堀内)
10月11日から全国旅行支援が始まり、一泊5千円以上の宿泊で宿泊費の40%補助(最大4千円)、さらに登録した店で使える地域振興クーポンを平日3千円、休日千円で配布しています。
前回のGoToもそうでしたが、こういう企画の場合、当舎のような小売店の売上げは落ち込みます。クーポンは使えませんし、旅行は大盤振る舞いでと顧客の目がそちらに向いてしまい、期間中の売上げはサッパリ、終了後少し経ってから回復するというパターンで、以前の菅政権の場合は途中で中断されたため、中断した途端に注文が増えたという悲喜劇もありました。なので、こちらはあまり歓迎ではないんですよね。
支援の内容にも問題がある。一泊5千円以上ということはじゃらんなどポータルサイトを見れば分かりますが、旅館のボリュームゾーンは一泊5千円以下で、大半が対象外となることがあります。なので、これは価格を上げる、つまり一泊3千円のところを5千円に上げて給付を受けられるようにする。クーポンも付くのですから施設としては上げない理由はありません。
実際に支払う宿泊料はどちらも一泊3千円ほどで、実はほとんど変わらない。さらにクーポンが付くことから、これは経済政策というよりは宿泊業の経営支援じゃないかと言いたくなるところもあります。
ですが、文句ばかり言っていても仕方がない。せっかくですからこちらも使ってみることにし、つい先日箱根に温泉旅行に行ってきましたが、どう見てもこれ一泊3〜4千円だろうという宿が7千円で販売されていたことを除けば、一泊二人合わせて6千円のクーポンをいただきましたし、以前のGoToと違いデジタルクーポンは使いやすく、それはそれで良かったのではないかと思います。
政策としても宿泊支援3千円にクーポン3千円で一人4千円の実支出を引き出せたのですから、乗数効果は0.67で、道路も含めほとんど0に近いものもあった昨今の公共事業としてはかなりマシな方ではないかと。ただ、クーポンを使える事業所が限定的で、経済モデルとしてはそれなりに成り立つものの、平等原則の点では問題のある政策という気がします。
筆者の泊まった湯河原でも、ここは漁港で早朝から鮮魚店が新鮮な魚介類や干物を販売していますが、ほぼすべての店でクーポンが使えず、使えるのは箱根ターンパイクにある有名蒲鉾店と工場併設の大型干物店の二店舗のみでした。大型ボイラーで大量生産する量販店の干物と魚屋の奥さんが一枚一枚手仕込みする天日干しの干物とでは味わいはぜんぜん違うのですが、美味しい干物はクーポンでは買えない。
他にも大資本をバックに全国展開しているラーメン店は使えますが、地元スーパーでは使えないなど、地域によっては食べ物など観光客向けと地元向けでは価格も内容もぜんぜん違うというケースもあることを見れば、観光の質という点でも疑問を感じるものになっています。そもそも旅先にまで国の作ったルールに縛られてはあまり楽しめない。前回のGoToも旧ソ連の旅行社のような旅行だと思いましたが、企画の満足度はあまり高くないのではないでしょうか。
上のような例もあり、当舎は傍観者といえる全国旅行支援ですが、クリスマスも近いというのに街にはどこか沈滞したムードが漂います。世界情勢がああいうものですから仕方ないとはいえますが、当舎は当舎でマイペースで行きたいと思います。
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JUGEMテーマ:手作り石けん
(文責:堀内)
ウクライナで戦争をやっていますから仕方ないとは思いますが、物価高の影響は石けん材料の調達にも影響を及ぼしています。年初と比べると原材料の油は平均して20%の値上げ、特になたね油は30%以上と大幅に価格が上がっています。最も良く使うオリーブオイルも29%の値上げで、しかもさらに上る気配があります。
こういうものを見るとパニックになってしまい、製造者としてはつい商品に価格転嫁したくなることはありますが、当舎としてはもう少し分析的に個々の材料に応じて対処したいと思います。
油脂の中でも飽和脂肪酸が多く長期保存が可能なものについては大量に仕入れることで価格を下げることができます。ヤシ油、パーム油、豚脂がそれで、後二者は品不足で値上がりしていますが、それでも小売ほどには上がっていません。これらは業販が中心で、マゾヒスティックなニュースの影響を受けない所も良いところです。
オリーブ油については、元々流通している価格が薄利多売であったことがあり、大量仕入のメリットはありません。高止まりが続くことが予想されることから、オリーブ油以外を主材料とする石けんの提案を考えています。例えば今月から販売を始めるブラウン・ウィンザーはオリーブ油の使用量の少ない石けんです。
豚脂が値上がりしている背景には戦争によって注目されたバイオエタノールがあり、主原料が植物油であることから、世界的に食用油の需要が急増して品不足になったことがあります。植物油の需要の逼迫は飲食業に豚脂や牛脂への転換を促し、その結果、ラードとラードの原料である豚の三枚肉の価格が高騰したことがあります。本来これらは最も廉価な肉類でした。
これは当舎の販売計画にも影響を与えており、元来豚脂はオリーブ油の価格が高騰した場合の代替材料として意識的にラインナップ(カスティール、パルマ)に加えてきたものです。これは国内で精製され、価格も安定していたことから、オリーブ品不足の場合の保険として考えていました。しかし、バイオエタノールの影響が波及することは想定の範囲外で、代替策は別のものを考えなければなりません。
オリーブ油については、昨年と一昨年は豊作でしたが、やはりウクライナ戦争によるエネルギー価格高騰で生産地で散水装置の使用を控えたことがあり今年は大凶作で、影響は来年以降出るものと思われます。ハイオレックひまわり油も主産地のウクライナがあの状況ですので、現時点では大きな値上がりはないものの、先を考えるとアテにできない材料です。
米油、ごま油など国内で精製している油脂については、原料を中国に依存しているごま油は上昇しているものの、自給率100%の米油については安定しています。なたね油は大きく値上がりしていますが、当方ではほとんど使用していないため、影響はあまりないです。米油は優れた石けん材料ですが、これまでは豚脂の方がコストパフォーマンスに優れていたため、あまり検討していませんでした。米油を用いた石けんにはカノラエルがありましたが、現在は製造しておらず、この油を用いた石けんはありません。
当舎はさまざまな石けんを作っていますが、オリーブ油使用の石けんは人気があり、当舎でも売れ筋の商品です。ただ、特定の材料に依存することの危険性は以前から当方も警鐘を鳴らしており、ここでは他の石けんの提案や、製法を工夫することで対処を続けたいと思います。
なお、現在の価格については11月中に一通り手を打ち、影響をイーブンに抑えました。そのため、一部の石けんを除き、当面値上げの予定はありません。
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販売といっても割高でクール便送料も掛かり、もっぱら直販と自家消費で食べられている「もくせいミート」ですが、作り貯めしておいたスパイス塩が切れたことで新しい調味料を作ることにしました。
スパイスの以前の配合は重量比で
セージ:タイム:マジョラム:Bペッパー:カルダモン:トウガラシ=1:1:1:1:1:1
で、配合は「ハム・ソーセージの作り方」の基本書に依拠したものですが、何回も作ってみて、もう少し生臭さを消しパンチがあったほうが良いということで
セージ:Bペッパー:タイム:マジョラム:ナツメグ:トウガラシ:ガーリック:ジンジャー=3:3:1:1:1:1:1:1
とし、スパイスを六種類から八種類に、ソーセージの個性的な風味に欠かせないセージと匂い消しのBペッパーを3倍に増量、ガーリックとジンジャーを新たに加え、カルダモンをナツメグに置き換えました。
塩分については、もくせいミートは割高なことから濃いめの味付けで、スパイス塩3%プラス発色剤(0.01%)ですが、発色剤の方はコンプレットという市販の塩漬け剤があり、1%で規定の(規制値内)分量に自動的になるため、ここは特にいじらないことにしています。
自家用の場合は少し仕様を変えており、スパイス塩に砂糖を加えたりしています。以前食べ比べた結果では味付けは塩のみの方が分かりやすくて良いという意見もあり、販売用はそれですが、自家用の場合は色々試してみて良いということで比率を変えたりしています。分量も違っていて市販用170gに対し自家用は250gで一単位です。
スパイス塩の場合、一度作ると自家用、販売用合わせて20回は使うので、今後のもくせいミートは新しい塩を使いますが、実はこういうものの味付けは簡単には決まらないものです。違いはごくわずかで、食べ比べても分からないといったことが多く、作り手にとっては大きな変更でも、使う側にとっては分からないといったことが少なくないのはこの食品も石けんも同じです。
(補記)
違いが見えにくい理由として、人間の感覚は一次関数ではなく対数関数で、分量を倍にしても閾値があまり動かないといったことがあり、コンマ数%変えただけで動く(感じる)場合もあれば、10倍変えても分からないことがあります。
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JUGEMテーマ:手作り石けん
(文責:堀内)
手作り石けんなど作っていると、石けんと人肌の相性は千差万別で、「これがいちばん」というものはないとつくづく思わされます。どの石けんにもそれなりに長所と短所がある。
作っている私本人はといえばたぶん普通で、これといって不健康でもなく、やや脂性肌でそのため違う体質の方にはやや鈍感、無神経なところはあると思っています。
思うに、もくせい舎みたいなものは自分も皮膚病を持ち、紫外線を浴びるとジンマシンが出るなど日常生活にそれなりに問題があり、加えて多少の薬学的知識とそこそこの科学的合理性、そして石けん作りができる程度の気力体力のある人がやるのが最善だと思うこともあります。ですが私はそうではない。
当舎の石けんの場合は、作り手の好みを反映して全般的にサッパリ系、汚れを落とす系のものが多いと思います。いちばんサッパリしているのはオレイン酸など不飽和脂肪酸系の石けんで、これは原材料が常温で固体でないため、石けんにしてもアッサリ落ちます。つまり、肌に残りにくい。
パーム油や動物性脂肪など飽和脂肪酸系の石けんはクリーミーですが肌には残ります。病気で四肢が不自由な方などは避けた方が良いでしょう。ですが当舎でもいくつかラインアップしています。別の評価軸によるものです。
意外と肌に優しいのが今年からリリースしている透明石けんで、これは飽和脂肪酸が主成分ですが原材料にグリセリンを大量に用います。通常、グリセリンはコールドプロセスの石けんでも5%未満です。材料の油脂は99.8%がトリグリセライド、つまり、一個のグリセリン分子に三つの脂肪酸がぶら下がっている構造で、このエステルを切り離し、脂肪酸とナトリウムを反応させたのが石けんで、残りがグリセリンですから、それ以上は含みようがないからです。が、これは10%は含んでいる。そのため、肌に優しく弱い肌でもピリピリせず使えます。
もう一つは特殊な石けんですが、当舎がリリースしているマッサージ石けんです。これは石けん作用よりも含んでいる大量の油(15%程度)を塗布するのが目的の石けんで、ほとんど泡立たず、石けん分は余分な油を落とすためだけの石けんです。ボディタオルの使用はオススメしませんが、体に付け、温浴して洗い流す程度で入浴としては一応成り立ちます。
カスティール石けんは元々食器洗い用として液体石けんなどと同カテゴリーで作った大型の石けんですが、根強い入浴ニーズがあります。もちろんテストはしていますし、最近製法を改良して以前よりクリーミーになりました。
いろいろ作っています。相談していただければ答えますし、今後作る商品もあります。ご自分のニーズに合った商品を選ぶと良いでしょう。
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