JUGEMテーマ:社会の出来事

 

(文責:堀内)

 

 

 

※個人の意見で販売用の文章ではないので「です・ます」調は使いません。たまにはホンネを書くのも良いでしょう。

 

 政権が禅譲され、携帯電話を安くしたり、元より国や大企業に偏った富を給付金で再配分してくれるのはありがたいが、直後に内閣支持率70%が51%と19%もガタ落ちになったのは、日本学術会議に対する不要不急の介入と、故中曽根康弘元首相の葬式が原因としか思えない。

 

 もっとも葬式の方は故小渕前首相の時にも同様の通達が出されており、当時も顰蹙を買ったものだが、これは隷下の役人が形式的に過去の様式を履践したものを消極的に追認しただけに見え、通達に強制力はなく、そう深刻な話でもない。

 

 学術会議の方はどう見ても無理筋で、いろいろ言われているが、事の本質は「時の総理大臣が法律を破って良いのか」にある。15条の選定罷免権を持ち出すまでもなく、73条1号(法令遵守)により、総理大臣が学術会議の推薦に基づく任命を拒否できないことは解釈上明らかである。合衆国大統領同様の拒否権は日本の首相にはなく、憲法は内閣に法律遵守は求めても、蹂躙する権利までは与えていない。ここで「学問の自由」は牛刀をもって鶏を割く類で、あえて持ち出すまでもないものである。

 

 かなり厳重な規定で独立性が担保されていた学術会議でさえ、時の首相の都合で決定が覆されるとなると、国立大学の入学試験の合否や四則演算の答えなども時の為政者の都合で変更できることになり、これは全知全能の菅氏には問題なくても、その他大勢にはたいへん迷惑な話である。

 

 憲法23条(学問の自由)は巷では誤解されている条文の一つで、さらに悪いことに、条文を「文字通りに」解釈して事案を説明する識者(デマゴーグ)までいることにはもっと恐れ入ってしまう。

 

オックスフォード大学

 

 「学問の自由」の原語は”Academic freedom”、意訳すると「学団特権」、古くは異端者を海に沈めたピタゴラス教団に始まり、放埒無頼な初期のオックスフォード大学、狂信ピューリタン(キリスト教原理主義者)のハーバード※など、欧米ではサイコパス傾向のある学際者の集団が時の権力と対峙してきた歴史がある。迷惑も多かったが、多少の貢献もあり、時の権力と学団の妥協(pact)がこの特権(freedom)である。学問の自由はカテゴリー的には言論の自由(freedom of speech)の一亜種に属する。

 

※プラグマティストのパースが大学から追放され、生涯入構を許されなかった故事は大学というものの偏狭さを良く示している。ケインズの父も素質がありながら生涯舎監のままであった。聖書を翻訳したウィクリフは同僚の讒言で殺され、遺体は粉砕されてテムズ川に捨てられた。「大学の自治」の犠牲者は多い。

 

 日本で似たようなものを探すとすれば、比叡山延暦寺や園城寺だろうか。「加茂川の水、双六の賽の目、山法師」という白河上皇の嗟嘆がそれに近い。いずれも400年前に織田信長によって根絶やしにされ、日本には本来の意味での「大学の自治(現学問の自由)」の概念は存在していない。75年前にGHQ※に草案を渡された訳者も困ったので、即興で適当な訳を充てた。それだけのことである。

 

※日本学術会議もGHQの所産である。

 

小澤隆一教授(東京慈恵会医科大学)

 

 大学教養でこのあたりの話を面白おかしく話してくれたのは、当時は助教授だった小澤隆一教授(憲法・落選6人組の1人)だが、30年も前の話で、正確な所は詳らかでない。久しぶりにテレビで顔を見て(元々髪は薄かった)、一橋大卒のかつては美少女戦士セーラムーンのファンを公言していたハンサム助教授(女学生に人気があった)が、柄でもない変な騒ぎに巻き込まれていることには同情を禁じ得ない。

 

 しかし、本来は手続の問題でしかないものを、やれ学術会議の存在意義だ10億円だ予算見直しだと騒ぎ立てているのも氏と同じ学者(仲間)であるので、災難は自業自得ともいえ、これは「大学の自治」を巡る問題としては歴史的に少しも目新しく珍しい現象でもないが、先の検察庁法改正案に引き続き、周りくどい妙な議論を延々と聞かされるこちらは少し閉口することになる。

 

 

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