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JUGEMテーマ:手作り石けん

 

 一昨年に一度だけ入荷して話題になったが、あの100円ショップ(現在は110円)のダイソーでまたぞろマルセイユ石けんが「復活」しており、前回ほどではないが話題になっている。前回と同じサポナリー・デュ・ミディ社の製品で、品揃えも同じで、モノは良いが最後まで売れ残ったオリーブ石けん「マルセイユ」を中心にチタン顔料で彩色した3種類のパーム石けん(ローズ(赤)、ジャスミン(緑)、ハニー(黄))「プロヴァンス」がある。

 

 この石けんについては一昨年に散々調べたこともあり、これといって言うこともない。実は正規品で400〜500円ほどで売っている製品の規格外品で、こちらの売り上げに影響することもなかったので、「本格的マルセイユが100円!」で最初はおぞけたが、数に限りがあるので2年貯めた製品が売切れればおしまいである。大真面目に仕入れれば、本国でもこれより高いから100円ではとても売れない。

 

もくせい舎の石けんの泡
もくせい舎の石けんの泡立ち

 

 マルセイユ石けんの工房はマルセイユに4社あり、1894年(1870年?)創業のミディ社は1900年創業のマリウス・ファーブルよりも古い古参の工房だけれども、最近大手の化学製品メーカープロデフの所有になり、設備を一新したことが伝えられている。マルセイユ4社の内訳はマリウス・ファーブル、シェヴァル、ミディ、セライルの4社で、マリウスとミディ以外は日本ではほぼ無名と言って良い。

 

 所有と経営が分離している欧米の会社では珍しくないこととして、ミディ社も何回か所有者が変わっており、90年代に染料や清掃用品などのブランドを保有する南フランス社の傘下に入り、2012年に南フランス社がプロデフ傘下になったことにより事業部化し、現在はプロデフ社の南フランス部門のミディ事業部だけれども、会社の所有に関わらず、従業員が伝統的な製法とノウハウで従前通り仕事を続けているというのは、オーナーの最期が「会社最期の日」になる日本とは異なる光景である。会社が倒産してもノウハウと引き取り手がある限り従業員は解雇されない。責任も評価の方法も別で、職工の領域と経営の領域は明確に区分されている。

 

 というわけで、従業員20人のミディ社は今日も操業を続けており、そのお裾分けがわざわざ東洋の島国にやってきたのだけれども、これは買わなきゃ損である。大手寡占が当たり前の日本の石けん市場でヨーロッパの価値観に触れられる機会はめったにない。「マルセイユ」が本格的な作りだけれども、前回はスパルタンすぎてあまり売れなかった。なのでダイソーはより軟派な製品も併売し、実はこちらの方が良く売れた。二年経った後、今回はどうだろうかと思うが、すぐに完売になることは間違いない。

 

 日本や発展途上国にはある石けん規格というものは、実は欧米には安全性以外ない。途上国には日本以上に(かなりどうでも良い内容で)成分含有量を厳しく規定しているものがあるが、安全において一定の水準を満たしておれば、何を作って売っても自由というのは、日本よりも進んだ意識を持つ、長い歴史のあるヨーロッパの石けん文化である。当舎の作り手としては、そろそろ日本もどれも同じの「牛〇」・「植〇物語」コンプレックスから抜け出しても良いと思うのだが。

 

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