JUGEMテーマ:日々徒然

 

(文責:堀内)

 

 

 写真は製造中のもくせいチーズ、注文が少数の場合は写真のような燻製釜を使います。2個まで作ることができますが、大量の注文には対応できないので燻製器を自作することにしました。こちらは一度に12個まで作れますが、使い勝手は釜の方が良いです。

 

 

 もう一つの写真は同時注文の白焼チーズ。もくせいチーズは最初の乾燥工程で赤ワインとニンニクをすり潰したエキスを塗布しますが、こちらは差別化のためブランデーを用い、燻煙材もサクラのほか、ニンニクと若干の香辛料を焚き込んでいます。違いが判るかどうかはかなり微妙だと思いますが、作り手は区別しています。また、今回はクール便での注文ですので「もくせいミート」も同時進行で作っています。

 

 

 こちらは発酵16時間後のライ麦パンの酵母、本やネットに流布されているノウハウだとライ麦パンのパン種はアンフリッシュザワー(生種)・グルントザワー(元種)・フォルザワー(使う種)を経た三段熟成法ですが、その通りに作っても時間が掛かる上に「まずうまく行きません」ので、こちらは京都のドイツパンの店に行って現品を確認した上、ヨーグルトメーカーを使い、少しアレンジして作っています。

 

 ペルケオさん(京都のドイツパンの店)の話ですと、焼かずに薄く切り、ポテトサラダやソーセージを載せて食べるのがおいしいそうです。もくせいミートはそのまま焼いてもおいしいですが、このパンに載せると肉の旨味と乳酸の酸味の程よいハーモニーでよりおいしくいただけます。

 

 

 写真は先週土曜日に訪れた鳥取砂丘、初めて行ったのですが天気も良く、およそ日本離れした光景で魅力的な場所でした。この砂に炭酸カルシウムを混ぜてモルタルとし、彫刻して様々なテーマを表現した「砂の美術館」はおススメです。彫刻は四半期ごとに作り替えられ、何度訪れてもその都度違った作品を楽しむことができます。

 

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JUGEMテーマ:社会の出来事

 

(文責:河野)

 

 先日、ドコモ口座の不正利用により、銀行口座から勝手に預金が引き出されるという事件が発生しました。被害件数は9月14日の時点で120件、被害総額は2542万円に上ると報道されています。

 

https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1276815.html

 

 この事件は、ドコモがスマホから銀行口座に、本人確認なしのメールアドレスだけで簡単に紐付けられるというシステム上の欠陥を利用し、どこからか不正入手した他人の銀行口座番号と名義を使って、ドコモ口座に勝手に紐付けて他人の口座からドコモ口座へお金を入金する、という手口で行われたようです。

 ですから、ご自身が「ドコモのスマホを利用していない」「ドコモ口座を持っていない」人がターゲットとなります。

 

 

 近年、キャッシュレス決済が大流行りで、特にクレジットカードや銀行のキャッシュカードとスマホを紐付けて、スマホから、クレジットカード、キャッシュカードを使った決済を簡単に行えるようにしたシステムが人気です。いつでも、どこでも居ながらにキャッシュレスで決済ができるからです。

 それに対して、ATMを使った銀行振込は、その場に足を運ばなければいけませんし、手数料もかかります。ネット通販なら、圧倒的にキャッシュレス決済が有利とも言われています。しかし、今回の不正利用事件で、その安全性に疑問符がつきました。

 

 もくせい舎では、今のところ決済方法は「ゆうちょ振替」「銀行振込」の2択で、クレジットカード、なんとかペイなどのキャッシュレス決済方法は採用していません。その理由としては、

 

(1)クレジットカードの支払いには手数料がかかり、その料金を商品代金に上乗せしなければならない
(2)送料についても同様に、商品代金に上乗せせざるを得ない場合がある
(3)銀行口座とスマホが紐付けられるので、以前より銀行振込が簡単になった
(4)注文いただいてから当社の振込口座をお知らせするだけなので、お客様から、商品送付に必要な最低限の個人情報を受け取るだけで済む
(5)注文から発送までの間に、お客様とメールでやりとりするので、キャンセルや注文の追加、変更など柔軟な対応ができる


などがあげられます。

 

 一方、銀行振込方式では、代金先払い方式になるため「振り込んだはいいが、商品が届かないのではないか」というリスクがあることも事実です。ブランド品などのネット通販では、銀行振込決済を使った詐欺も発生しており、注意が呼びかけられています。

 

https://www.aacd.gr.jp/consumer/akushitsu/bank

 

 このため、「ネット通販で銀行振込しか決済手段がないところは要注意」などと呼びかけられるケースもありますが、昨今では、大手ネット通販のアマゾンでも、個人で出品が可能なため、商品を発送したとメールが届いたものの、いつまでたっても商品が届かない、というトラブルが発生しています。

 

 ネット通販は、出品者と購入者の相互の信頼関係によって成り立つようなところがあると思っています。いつも、ご購入くださった方が信頼して、代金を入金してくださることに感謝しています。この信頼にお応えできるよう、精進していきたいと、今回の「ドコモ口座不正利用事件」を通じて、改めて思った次第です。

 

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JUGEMテーマ:手作り石けん

 

(文責:堀内)

 

 先に試供品を配布したもくせいミートですが反応は様々で「肉はんぺんみたい」という声もあれば、歯応えが良いという評価もあり、いちばん苦労した味については特に不評でもなかったことから、開発を継続したいと思います。当方としては少し脂肪を加えた方が食感も食味も良かったような気がします。配合は種明かしをすれば簡単ですが、実は数年に渡る改良がなされています。

 

 

 ライ麦パンの方も3個めで穀物を用いた乳酸発酵についてはほぼ確立しています。コロナウイルスが流行っていますが、細菌やウイルス(寄生して繁殖する)は原始的な生物で、温度や湿度など一定の条件を整えないと繁殖しない(活動を休止して休眠状態に入る)ことがあり、普通は成功させるのに苦労するので、条件を外してやればそんなに怖がるものでもないです。コロナも寄生相手を間違えて死滅するのが全体の9割以上でしょう。その点人体は快適で、居着いてしまうと厄介なものですが。

 

 夏が酷暑だったのは別に今年に限った話ではなく、当舎開設以降も2018年の夏はひどいものでしたし、この年は(フードマフィアの暗躍による)オリーブオイルの品質不良もありました。2019年はややマシで、今年は18年並みの酷暑でしたが一昨年と異なり品質不良を起こすような石けんはなく、そもそもあまり作っておらず、7月以降は「犀(もくせい)」など問題を起こさない塩析型に切り替えていました。

 

紫外線照射中.jpg

 

 紫外線照射装置を導入したこともトピックで、河野が食品衛生責任者の資格を取りましたが、次亜塩素酸やアルコール払拭だけではどうしても拭き残しがあります。容器にカビなら10秒、通常の細菌なら1秒で死滅する紫外線(UV-C)を浴びせることで発酵の成功率がだいぶ上がったことがあります。なお、この照射は当舎で購入する商品の全てに導入されています。可搬式と静置型と3基作りましたが1基は予備で、静置型の1基はマスクの消毒に用いています。コロナ以降のもくせい舎の商品はすべてビニール袋に入れて二重に梱包されていますが、これは照射漏れの部分はオゾンを発生させて減菌することが目的です。

 

 

 写真は先に紹介したハム製造用に新たに制作した燻製器ですが同様のものは市販でも売っており、何もわざわざみすぼらしいものを新しく作らなくてもと思いますが、重量や火元との距離など自作には自作のメリットがあります。チーズ燻製器で作った前回のハムが見た目も食味も良かったことから、確認のため再度実験です。

 

 前回はロース肉(ラクスシンケン)だけでしたが、今回はロースの他、肩肉(シュルテル)やもも肉(ヌス)も使い、一週間後に取り出した後、残ったチップ片を発火させてばら肉のベーコンを作ります。用いた豚肉の量は3キロですが、燻製で減量する結果、出来上がり時には2.5キロほどになります。

 

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JUGEMテーマ:生活情報

 

(文責:河野)

 

 服につくやっかいなシミ。中でも面倒なのが、ボールペンのシミです。うっかりボールペンの芯を出したままポケットに入れようとしたりして、服に線を「書いて」しまうことがないでしょうか。
 ボールペンのインクは油性なので、普通に洗濯してもほとんど取れません。
 ボールペンのメーカー、ゼブラのホームページには、インク汚れの落とし方が記載されています。消毒用アルコール、または除光液を使う方法です。インクをアルコールで溶かして布から浮かし、それを別の布切れに移して落とす、という方法です。

 

https://www.zebra.co.jp/zebra/other4.html

 

 この方法は、生地をたたいたりこすったりするので傷みやすく、慣れていないと、溶剤によって溶けたインクが薄く広がって、かえってシミの範囲が広がる危険性もあります。

 

 そこで、石けんを使ってみたらどうなるだろう、と思い、やってみることにしました。というのは、たまたまメモを取っているときにうっかり、スカートにボールペンの線をつけてしまったからです。綿なので、洗濯機で洗えるため、私がよく使う方法を試しました。(インクのついたボールペンは、三菱鉛筆のジェットストリームです)

 

 

それは、洗濯する前に、生地についたシミの上に固形石けんを膜になるようにに塗りつける、という方法です。少し生地と石けんに水をつけると、よく付きます。

 

 


 あとは、そのまま他のものと一緒に洗濯機で洗います。

 

 洗いあがったものが、こちら。パッとみたところ、どこにボールペンの線があったのかわからないくらいに消えました。

 

 

 よく見ると、うっすら残っていますが、柄物ならばほとんど気にならない程度まで落とせました。

 

 

 今回使ったのは、もくせい舎の実用石けん、台所用の「ムクロジ石けん」です。食器洗いに使うものですが、このように、高い洗浄力があります。洗濯に固形石けんを使うことは普通は考えないと思いますが、このようにピンポイントの汚れに威力を発揮します。気になるシミや汚れがあったら、固形石けんを試してみてはいかがでしょうか。

 

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(文責:河野)

 

 先日このブログでご紹介した「もくせいミート」は、いわゆる一般的なミートローフと違う点があり、低温調理されているところに特長があります。オーブンで焼くミートローフと違って肉汁が外に出ないため、肉の旨味をそのままいただくことができます。

 

もくせいミート自家用、試供品は100gのミニサイズです。

 

 おいしく召し上がっていただくには、軽くフライパンで裏表を焼くのがオススメです。幅1センチほどに切り分けて、フライパンで片面およそ分ずつ焼いてください。ミートそのものに脂があり、味付けもされているので、油をしかずにそのまま焼くだけでOKです。

 

ライ麦パンともくせいミートで、あわせておよそ370kcalです。

 

 焼きあがったミートを、手作りのライ麦パンにのせていただきました。ライ麦パンはイースト菌を使わず乳酸発酵で作るパンで、普通のパンよりもずっしりと重く、食べ応えのある仕上がりになります。乳酸菌による独特の酸味があり、焼かずにオープンサンドで食べるのがおすすめです。

 

 

 軽く焼き上げたもくせいミートは、ソーセージに似た味わいですが、豚の粗挽きに塩、香辛料を加えただけ、つなぎの入らないシンプルな味わいで、朝の食卓にぴったりの一品です。

 

<もくせいミート&ライ麦パンと日清チキンラーメンとの栄養価比較>

 

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 もくせい舎の燻製チーズは配送方法としてクール便と通常配送があり、商品自体も常温で保存できるように作ってはいますが、今どきの食品衛生の知見※からは製造から提供まで冷蔵が途切れないクール便の方が望ましいです。しかし、クール便は通常の宅配便を用いる上、冷蔵料が掛かります。

 

※食品衛生法では加熱肉製品、乳製品は10℃以下の保管が基準となっており、昔はデパートの催事場で贈答用として常温で山積みにされた真空パックされたハム、チーズなどを見ることができましたが、さすがに今では見ないものになっています。殺菌して水分活性とPH値を十分下げればこれらの製品も常温での保管は可能ですが、そんな製品は今は酒肴おつまみ用のチーズ鱈くらいしかありません。ですが、あれは鱈シートの方に防腐剤がしっかり入っています。

 

 お客様のご負担をできるだけ軽くしたい当舎としては、従来も千円以上お買い上げのお客様には選択制でおじゃるシャンプー1個又は振込手数料相当額の無料サービスを行ってきましたが、ここであえてクール便を選んでくださったお客様には特別にサービス品を提供することにしました。


 

 

 もくせいミートは低温長時間調理されたミートローフで、中心部は食衛法の基準である63℃30分間の加熱(パスチャライズド)で殺菌されています。味付けは塩と若干の香辛料、ほか仕様によりチーズ、ニンニクの小片を加えています。衛生的な真空パックで包装され、そのままでも食べることができますが、加熱した方がよりおいしくいただけます。

 

 見た目や味付けはホーメル社のスパムにごく近いものですが、スパムほど脂っこくなく、精肉を自家で粗挽きした食感はよりしっかりしたものです。あえて塩のみの味付けとしたことで肉の旨味も味わえるものになっています。チーズ同様作り置きはせず、注文を受ける都度で材料を調達して製造します。

 

 河野が食品衛生責任者の資格を取ったことにより、製造に用いる器具や什器の消毒は食衛法を基準に見直しましたが、従来でもチーズの製造では同等以上の基準を用いていました。

 

 商品の性質上、チーズよりは冷蔵の必要性が高い品物ですので、当面の間はクール便のお客様に対する試供品として扱います。販売も視野に入れていますが、そのあたりは評判を見て考えます。

 

ライ麦を発酵させて作った天然酵母。
イースト菌を用いずに乳酸発酵させる
ドイツパンの材料になります。

 

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JUGEMテーマ:手作り石けん

 

(文責:堀内)

 

 8月はテレビでも度々注意されているように酷暑高湿度でしたが、石けん作りには向かないこの月は特に新しい石けんは作らず、従来品の改良案や「犀(もくせい)」用の塩析生地の制作など次月以降の下準備をしていました。

 

 

 特に当舎の「釜炊きオリーブ石けん」は現在の品は析出した石けん粉を練り固めて作るのですが、そもそも最初は塊だったものをわざわざ砕いて再成型するプロセスには脆いという問題があり、より強度を高める必要性を感じていました。

 

 これは72%の釜炊きや「犀(もくせい)」にはない問題で、これらの生地は配合している油脂の性質からある程度粘りがあるため圧着成型でも作れますが、100%の生地には特有の扱いにくさがあり、吸水性、吸油性の高いこと、吸着性がほとんどないこと、組成もソボロ状で崩れやすく、そもそも生地が硬く脆いことといった問題があります。

 

 

 今回試した方法は生地を予め大きめに作っておき、乾燥と削り出しで粉砕せずに徐々に目的の大きさ(6センチ角、厚さ2.5センチ)に追い込んで行こうというものですが、その過程で残っていた塩分も脱塩され、強度も従来品より高くなるという狙いです。塩析した石けんはコールドプロセスよりも収縮率が高く縮みやすいという性質があるので、それを見越して石けん塊の大きさを決めます。最初は7センチ角、厚さ7センチから。

 

 

 今までの知見ですと、こうして作った石けんでも強度は圧着型とほとんど変わらない、泡立ちなどむしろ落ちるというものですが、乾燥不徹底であったという反省もあります。ここは乾燥に時間を掛けることとし、テストも続け、ある程度納得の行く品ができましたら製法を確立し、正式に製品化してお出ししたいと思います。

 

 

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JUGEMテーマ:生活情報

 

(文責:河野)

 

 石けんのご購入を検討している方から、どの石けんがおすすめか、ご相談のメールをいただくことがあります。
 石けんですべてが解決するわけではありませんが、お肌のトラブルを解消するのに、高価な化粧品を用いたり、エステ通いをしなければならない、ということは決してありません。それよりも、お手入れをシンプルにすることで、意外にトラブルが収まったりすることがあります。化粧品ではなく、自分自身の治癒力を引き出す、という方法です。

 

 

 たとえば、乾燥肌。私は今は普通肌ですが、手作り石けんを使い始める前は、肌の乾燥に悩むこともしばしばでした。特に職場でエアコンをガンガンかける冬場には、顔面がカサカサして粉をふいたようになることもありました。

 

 このような場合、乾燥した肌に潤い成分を補給するために、化粧水をたっぷりつける、ということがあると思いますが、これが逆効果になっていることもあります。化粧水といっても成分は様々ですが、「水」や「アルコール」を含んでいることがあります。そうすると、肌につけた化粧水が蒸発するとき、皮膚の水分もいっしょに奪ってしまい、より一層乾燥がひどくってしまいます。

 

 解決法としては、洗顔して皮脂よごれをきれいに落としたら、化粧水はつけずに、乳液や保湿クリームなどの保湿剤をつけること。そうすることで肌がクリームの油膜で守られ、肌の水分が乾燥で奪われることなく保湿することができます。

 乾燥がおさまってきたら、例えば夜のお風呂上がりなど、洗顔したあとはなにもつけずに、すっぴんでいることもおすすめです。自分の皮脂線から出る脂で必要十分にお肌が保湿されるようになり、肌の調子が整えられます。

 

 また、年齢を重ねるごとに、だんだんと肌が乾燥気味になるということもあります。美容家の佐伯チズさんは、肌の乾燥は「洗いすぎ」にも原因があるとし、朝の洗顔は洗顔剤を使わずに、ぬるま湯だけでよい、と著書に書かれていました。私もこれを実践しています。

 

 

 一方、脂性肌の方は吹き出物でお悩みかと思います。皮脂腺に皮脂汚れがつまり、そこが化膿することで吹き出物になります。ですから、解消の第一歩は洗顔です。オリーブオイルを素材とした石けんは、細かい泡できれいに汚れを落とし、適度に保湿してくれるのでおすすめです。


 洗ったあとのお手入れとして、私の場合は吹き出物ができたところに、ドラッグストアで販売されている医療用のオリブ油を塗ると、吹き出物が「枯れた」ようになり、治りが早かったということがあります。抗菌作用、抗炎症作用があるためです。ただ、オリーブ油に含まれるオレイン酸はニキビの原因となるアクネ菌に好まれるという情報もあります。あくまでポイント的に使うのがよいと思います。

 

 何よりも、お肌を健やかに保つためには、栄養バランスのとれた食事と睡眠が大切です。脂性肌の方はとくに、油っこい食べ物や甘いもの、お酒を控えるのも一つの改善方法となります。

 

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JUGEMテーマ:生活情報

 

(文責:堀内)

 

 こういうショップをやっていると業務柄、ネットで他の方の作る石けんや料理を参考にすることが多いのですが、かなり多い例としてその後どうなったか分からないということがあります。

 

 例えば全量太白ごま油で作ったあの石けんはどうなったとか、あのキャノーラはきちんと完成したのかということですが、後日談がない所を見ると、おそらく失敗したのでしょう。

 

 私の場合もひと月ほど前に「ハムを作っていますよ」という記事を上げたのですが、顛末は書いておらず、見ようによっては「やはり失敗」に見えているかもしれません。ご心配なく、ちゃんと成功しています。

 

 

 製法について記事の厄介なところは、条件は材料の純度や気候条件の違いで一つ一つ異なっているのですが、記録を始めるとたいてい失敗することです。実は作っているより考えている時間の方が長く、1回の製造の前にああでもないこうでもないと何度も検討します。

 

 アプローチの仕方は色々ありますが、私のやり方は「引き算」で、製法や材料から本質的でない部分を一つ一つ除いて行き、最後に残ったものを使うというものです。ハムの場合は枝肉1kgのほか、2%の岩塩ないし海塩、1グラムの胡椒とセージ、ごく微量の亜硝酸ナトリウム、それだけです。

 

 

 香辛料には絶対に外せないものがあり、カレー粉のフェヌグリーク、肉加工品のセージといったもので、もちろんそれ以外のスパイスでもカレーもソーセージも成り立ちますが、「何か欠けている」ものになりがちです。

 

 本やネットでは製造に用いる塩は「精製度」の高いものが良いと書いてありますが、それが正しいなら高級レストランのポークソテーも高級肉を安い食卓塩(99.5%)で炒めるのが良いとなってしまいます。実際には一見粗製に見える灰色や赤色の天然塩でもナトリウム分は99%以上がほとんどで、その他の成分によるコンマ数%が違いを生みます。高級レストランがどんな塩を使っているかを知れば、本当のことはお分かりでしょう。

 

 

 こういうものは、本でもネットでも「コツ」をいけしゃあしゃあと書くお人好しはまずいません。左記の精製塩の話はある本の説明にトリビアということでサラッと書いてあったものですが、見ての通り、市販で基準を満たさないものを見つける方が難しいでしょう。

 

 下のビデオも実はいくつかの工程を省いているのですが、省いていることが分かるかどうかということがあります。

 

<マリウス・ファーブルのビデオ>

 

<ケンタッキーのビデオ>

 

 良くあるパターンは、重要な部分を省く、順序を変える、誤解を招く表現を使う、回りくどい方法を推奨するですが、これらは人間心理の本質としてやむを得ない所があります。こういった誤解の森を掻き分ければ、石けんもハムも納豆も間違いなく作れるのですが、納得できるものを作るにはやはり材料を仕入れてみて、実際に作ってみることが大切になります。

 

JUGEMテーマ:国内小旅行

 

(文責:河野)

 

 「日本100名城」をめぐる旅を2016年に始めてから、この4年間に沖縄を除く全都道府県に訪れた。それ以前から、史跡や温泉めぐり、大河ドラマの舞台などを訪れる旅を楽しんできたが、そんな旅の中で、思わぬ地域差に気づくことがある。その一つが「しょうゆ」である。

 

 

 きっかけは2015年5月、その年放映されていた大河ドラマ「花燃ゆ」の舞台となっていた山口県萩市周辺を訪れたときだった。萩から下関へ至る山あいにある俵山温泉に宿を取り夕食を食べたとき、刺身のしょうゆが「甘い」ことに気がついた。聞いてみると、魚の煮付けによく使うため、この地域では甘いしょうゆが好まれるという。

 

 

 しょうゆに甘みをつけるために、山陰では「再仕込み」という手法で作られたしょうゆがあることも知った。しょうゆは大豆と小麦で作った麹に塩水を加えて仕込むが、「再仕込みしょうゆ」は、塩水のかわりに、できあがったしょうゆを加えて作るという。コクの深いしょうゆができ、甘みも加わって濃厚な味となる。

 

 萩に行った翌年から「日本100名城」の城巡りをスタートし、さらに行動範囲が広がったが、こうしたことから、訪れた先では地元のスーパーマーケットに立ち寄って、その地域で醸造されたしょうゆを見て回るようにしている。良さそうなものは購入し、日々の料理に使っているが、同じしょうゆであっても味はそれぞれで、毎日の食事の中にも小さな「旅」を感じられるようになった。

 

 

 そんな中で驚いたのが、この甘みの強いしょうゆが、実は全国各地で作られていること、特に九州で多いことだった。スーパーマーケットの「しょうゆ」の陳列棚には、大抵全国展開しているキッコーマン、ヒガシマルのしょうゆが列をなして並んでいるが、その一方で、地元で醸造されたしょうゆを見ると、キッコーマンとは一味ちがう「甘い」しょうゆが大半であることに気づく。甘いかどうかは、味わってみなくても原材料表示を見れば判別できるのである。

 

 例えばキッコーマンの最もスタンダードな「キッコーマン しょうゆ」の原材料名は「脱脂加工大豆、小麦、食塩、大豆、アルコール」で、旨味を増すためやカビ防止のためアルコールを添加していることも含めてごく普通のしょっぱいしょうゆである。
 しかし、甘いしょうゆは原材料名が違う。大豆よりも、小麦よりもまず一番に表示されているのは「アミノ酸液」で、そのほかに糖類や甘味料、調味料を加えて甘みや旨味を加えているものも少なくない。本来、甘みや旨味は発酵の結果として醸し出されるものだが、それらを人工的に加えているのである。結果的に「本醸造」と表示されているもの以外は、すべてこうしたアミノ酸混合のしょうゆになっている地域も少なくなかった。

 

 ごく普通(と私が思っていた)キッコーマンのしょうゆで育った私は、しょうゆは「しょっぱい」と思っていたが、「甘い」しょうゆが普通の地域もあることが、新鮮な驚きだった。このようなアミノ酸混合の甘いしょうゆが広がったのには、醸造業が味わった苦難の歴史があるのだが、その話はおくとして、特に九州で甘いしょうゆが好まれるのはなぜなのか、これもまた城めぐりの旅を通して感じるところがあった。

 

 

 宮崎県日向市にかつてあった飫肥藩では、薩摩藩から門外不出のサトウキビが持ち出され、極秘のうちに栽培を始めたことから、藩を支える重要な産物の一つとなった。名物の「飫肥天」は特産の黒砂糖を使った天ぷらで、飫肥城を訪れたときに味わったが、とても甘かった。

 


 鹿児島から全国に広まった「さつま揚げ」も、魚のすり身に塩、砂糖で味付けし油で揚げた料理である。砂糖はもともと輸入品で江戸時代になってようやく琉球や奄美などを傘下にした薩摩藩が産出するようになった貴重品だった。だから砂糖の甘さは、大変ぜいたくな「おいしい」味として認識され、ある種九州のアイデンティティになったのではないか、というのは考えすぎだろうか。

 

 九州で甘いしょうゆが好まれる背景にも、そんな歴史があるのかもしれない。


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